チャパティとナンの狭間で★

只今 醗酵中ナン職人この色の正体はターメリック
ぷくーとふくらみました
高槻の食祭

ナンって好きだなぁ。やめられないなぁ。
もし自分がナン職人になれたらどんなにいいだろうなぁ。
毎日毎日ナンだらけ。ナンに埋もれて眠りたい・・・・・。

あ、こりゃ失礼しましたっ。ご存知の方も多いかと思いますが一応ナンの説明しておきます。

北インド料理のパンのことで、カレーをつけて食べます。自転車のサドルのような形をしていて、長さは30〜40センチくらい。店や職人によって形や大きさはいろいろです。

色は白。ところどころ膨らんでいて、その表面はこんがりと狐色に焼けています。インドでは料理店、あるいはタンドール(炭を燃料とした円筒型の窯)店などで売られているもので、家庭にはタンドールなんてないので作ることはできません。つまり、インドのイベントフード、外食の華です。

一方、チャパティとはなにか。これもインドのパンですが、お袋の味、つまり家庭料理です。形はナンの半分くらいでまん丸。色は茶褐色。厚みがナンは2〜3センチなのにこちらは2〜3ミリと薄く、一度に4,5枚は食べてしまいます。

前者は小麦粉や玉子、ミルク、砂糖、ベーキングパウダーなどを使いますが、チャパティは基本的に全粒粉のみ。道具もフライパンひとつなどと実に素朴です。ナンもチャパティもそれぞれたまらなくおいしいです。

僕は昔から、この二つのあいだを子供のように行き来してまいりました。そして自分でも作るようになってから、それぞれの影響を強く受けた創作パンを作り続けています。それらを総称して『チャパティとナンの狭間で』と呼んでいます。

自炊や遊びで作ることもありますが、今まで幾たびも商品化もしてきました。店をやっていた時代はもちろんのこと、他店やイベント用のレシピも作りまくってます。最近では2010年の秋に開催された大阪高槻の食祭でしょうか。

そのときは高槻のためだけのパンを開発いたしました。なにがどう高槻かというと、まずは色が黄色なんです。曖昧なものじゃございません。阪神タイガースイエローと一緒くらいのはっきりとした黄色です。

この色の正体はターメリック。日本語で言うウコンです。はい、高槻城主でありキリシタン大名である高山右近にちなみました(゜ロ゜)
材料は全粒粉と小麦粉をまぜています。インド料理においては通常、どちらかだけで作るものですが、小麦粉だけではあまりに変哲もないし、全粒粉だけでは飾り気がなさ過ぎる。半々くらいがちょうどいい自然味を感じるんです。

そしてやっぱりメープルも登場します。ただし今回は甘み材としてではなく、アロマ材として使いました。(なんじゃそら!?)
はい、つまり臨界ラインがあるということです。これ以上入れると甘味が勝つけども、それ以下だとアロマを強く感じるというラインが。そのことを突き止めるまで300枚以上焼いてテストしたので間違いはありません。

純度100%の本物のメープルであること、そして焼き立てであることが条件です。チャパティと同じくフライパンを使った直接的な加熱方法なので、その風味がより沸き立つというわけです。

大げさな話ではありません。黙っていたら中のカレーの味が濃いために分からないと思います。でも、メープルを入れたものと入れてないパンを食べ比べたら明白にわかります。キャラメルと大豆を混ぜたような香ばしさがあるんです。

高槻の食祭のときはピタパンのような格好で提供しました。直径は20センチくらいです。わずかにイースト醗酵させていますので加熱すると微妙にふくらみます。その中にポークウィンナーカレーかチキンカレーのどちらかを入れるんです。

単なるパンとしても十分に美味いとは思いますが、いつもとは違う色や風味が楽しめてちょっと刺激的ではないでしょうか。マジのレシピを初公開しちゃいます!

☆With メープルシュガーレシピ13
『チャパティとナンの狭間で』(約6枚)

材料
強力粉         150g
全粒粉(インドではアタと呼ぶ) 150g
塩           1tsp
ターメリック      1/2tsp
ドライイースト     5g
ミルク         80cc
メープルシュガー    25g
オリーブオイル     3tsp
水           約120cc(乾燥してたらちょい+)

1.ボウルに粉2種類をどばっと入れて手でかき混ぜます。塩、オリーブオイル、ターメリック、メープル、ドライイーストも入れます。ちなみに僕は面倒くさいので篩を使いません。(何の問題もありません)
2.よく混ぜたらミルク、水を入れて、生地がまとまってきたらぐいぐいとパワフルにコネましょう。
3.表面がしっとりとしたら、濡れ布巾かラップをかけて一次醗酵。1時間も経つと2倍近くになっていると思います。ここで上からげんこつパンチ!ガスがぷす〜と抜けます。
4.次に適当な大きさにちぎって、丸めていきます。そしてバットや平らなお皿の上に並べて再び濡れ布巾かラップ。いわゆるベンチタイムです。
5.10分もすればOKです。生地を一つ取り出し、麺棒で延ばします。できるだけ綺麗な円形にします。
6.熱したフライパンで焼きます。1,2分で膨らんでくるはずなので、そうなったら反対にかえして焼きます。
7.両面がほどよく焼けたらお箸やトングなどで掴んで直火で炙ります。焦げやすいので注意。
8.両面をこんがりと炙ったらバターを塗って出来上がり。中に何か入れる場合はバターは不要です。