アルザス編[1]ストラスブールへ

ピエール・エルメのミルフォイユピエール・エルメのクロワッサン・イスパハンパリ東駅で。何番ホームかな・・・ピエール・エルメのカヌレ13号車、53,54席。乗り込んでホッピエール・エルメのショーソン・ア・ロランジュストラスブール大聖堂大聖堂前のレウtランで、タルト・フランベひざの上で眠るケイ極度乾燥しなさい・・・?

ミキちゃんの淹れてくれたコーヒー、おいしかったな。

パリを出発する朝、思い出しながら1人で飲む。

スーパー・モノプリのPB製品で250g、2ユーロちょいのお安さで、そうは思えぬしっかりした飲み心地だった。きっと中2のミキちゃんが淹れてくれたからだな。

ピエール・エルメのミルフォイユで気合注入。

ストラスブール行きTGVは午後1時55分発を予約していた。

ホテルに荷物を預けて朝、ピエール・エルメまで歩く。お気に入りのミルフォイユ6.9ユーロ、クロワッサン・イスパハン1.8ユーロをホテルのロビーでかじった。

ミルフォイユは上から「解体食べ」する。ジャリッと砂糖が心地いい。よし、これでTGVに乗り込もう。

日本文化会館に寄って、冷凍庫のおやつたちを取り出した。

キャリーケースと保冷バッグに岩手がんづき15個、宮城がんづき3個、岩手の「ひょうずだんご」100個を詰める。

入るかどうか心配だったが、何とか押し込んだ。よかった。スタッフのカリンさんが手伝ってくれた。あとは神のみぞ知る、だな。

トイレに行き、丁稚ケイのおむつも替える。TGVにはおそらく、赤子をのせる台もベビーチェアもないだろう。

タクシーでパリ東駅へ。15ユーロ。

着いたのは1時間前だった。キャリーケースにバッグ2個、リュックにバギー、そして丁稚ケイを抱っこしている。さすがに重い。3メートルほど歩くのが限度だった。フーッ。立ち止まって休憩しながらホーム前まで移動する。

出発15分前ぐらいにならないと、何番線から出発するかは分からない。おまけにホームは長い。

先っちょの車両だと相当、急がないと間に合わないかも。緊張して表示板をにらむ。

ちゃんとコンポストゥール(日付スタンプ)に切符もガッチャンコと通したし、準備万端だ。

よし、何番ホームでもかかってこいーっ。

エルメのカヌレ、2ユーロを丁稚ケイと奪い合いながら自分をふるいたたせる。あ、これ、ラム酒が入っていたっけ…。

あ、12番だ。よしいけーっ。

ずるずると歩き出す。隣からスーッ、魔法の手が現れた。

「助けましょうか?」。年配女性がバギーを持ってくれた。

「私にも子どもが3人いてね、よく電車で旅行したものよ」。

「あなたの車両まで行くわ。何号車?」と言ってくれた。歩かせて申し訳ない。

「いえいえ、大丈夫よ。まだ15分もあるから行くわ。まかせなさい」。涙が出るほどうれしかったけれど、歩くペースが速くて心臓が飛び出そうになった。ゼイゼイ。

3段のステップにひるむ。次の魔法の手はビジネスマンだった。

めざす13号車にたどり着いた。足元には3段ほどの階段になっている。

どうしよう…と思うまもなく、第2の魔法の手が現れた。スーツ姿の男性がキャリーケースを手にして持ち上げてくれた。

「ここからは私が手助けします、マダム」。

バギーを背負ってくれた女性とバトンタッチするみたいに、すべて荷物を席まで運んでくれたのだった。あ、あ、ありがたい。「私にも小さい子がいるんですよ」。ウィンクしながらほほ笑んだ。

「どこまで行くの?あ、ストラスブール?じゃあ降りるときも手伝います」。

そういいながらバギーを座席の上の荷台にしまってくれた。た、た、助かったー。やっぱりフランス人はやさしい。

子連れ割引プランで乗ったら楽々。

ストラスブールまでは1等車にした。4歳以下の子連れに適用される割引運賃(FORFAIT BAMBIN)をフランス国鉄のサイトで見つけていた。

隣の席が大人料金にプラス9ユーロで確保できる。もちろん抱っこすれば3歳まで無料で乗れるのだけれど、席が確保できるのならありがたい。それでも47ユーロと割安だった。大人1人だと同じ電車で1等38ユーロだった。

こんな制度、JRにもあったらいいのにな。

丁稚ケイは乗って30分後、ひざの上で眠ってくれた。

私もホッとしてエルメのクグロフ2.4ユーロと、オレンジクリーム入りショーソン(パイ)2.7ユーロをかじる…って食べ過ぎだな。眠くなってきた。ウトウト…。

午後4時18分、ストラスブール着。

くだんのビジネスマンは最初に言った通り、私の席まで来て荷物を降ろすのを手伝ってくれた。本当にありがたい。何べんもお礼を言った。

迎えの在ストラスブール日本総領事館の車に乗る。ホテルに行く前に保冷バッグの中身が気になる。

溶けちゃっているだろうか…。

岩手がんづきは解凍されているようだったけれど、ひょうずだんごと宮城がんづきはまだ凍っていた。ラッキー、私はまだツイている。大喜びで総領事公邸の冷蔵庫とフリーザーに詰め直した。これで何とかなるだろう。

フランクフルト近郊からレイコさん合流。はじめまして。

バスで2時間かけて会いに来てくれた。うれしいな。1人ではやっぱり、無理がある。

パリの旅の友リサさんたちがいなくなってから、丁稚ケイは2度もソファーから落っこちて大泣きさせてしまった。慣れた自宅でも目が離せないけれど、ホテルでは本当に切ない。だれかいてくれるだけで助かる。

大聖堂前でタルト・フランベを。

ピエール・エルメを食べ過ぎてお腹が重い。軽めにしよう。

アルザス名物の薄焼きピッツァ、タルト・フランベをいただいた。途中のショーウインドーに目がくぎづけになった。「極度乾燥(しなさい)」。レイコさんのツボだったらしく写真を撮りまくっている。どれか買って帰るか…。