8月の東京編[4]巣鴨の<日本一>

フレンチパウンドハウスのイチゴショート、ブラン599円駅前の「後藤楽器店」。演歌の殿堂とげ抜き地蔵で有名な高岩寺「ときわ食堂」名物、アジフライときわ食堂のポテトサラダ広くなった「ときわ食堂」日本一の赤パンツ、マルジ「喜福堂」の4代目、金子摩有子さん「喜福堂」のパンたち。コロッケパンが個性的「喜福堂」のイギリスレーズン

JR巣鴨駅あたり、ごじゃごじゃ、昭和ムード歌謡な街。

立ち飲み屋、昔ながらのスーパー、ちょっとさびれたホテルが並ぶ。思わず歌いそうに。おとことおんなの〜。

でも一歩入れば「大和郷(やまとむら)」と呼ばれるお屋敷街になる。唐突やなー。

「フレンチパウンドハウス」は昨年11月、突如として大行列が。

な、なにごと。横浜や千葉ナンバーの車が店を取り巻き、順番を待つ人はお店の外観を携帯でバシャバシャ撮る。

いつ通りかかっていても静かだったのに。

TVの情報番組で「日本一」としてショートケーキが取り上げられた、らしい。

分かりやすい。テレビがないから知らなかった。

ショーケースは空っぽになり、店員さんはてんてこまいだった。

て、手伝いましょうか。「最後尾」の看板でも持って。勝手に仕切ってどうする。

行列は消えたが変わらぬ人気。

ショートケーキはブラン(白)とルージュの2種類あって、ルージュにはお酒が入っている。

599円。直径14センチほどの8分の1だろうか。お上品だな。2個は軽いが財布が痛い、と思う私はお呼びでないか。

いちごは愛媛でハウス栽培された「とちおとめ」だそう。

演歌キャンペーンの聖地(と勝手に認定)、後藤楽器店。

有名、無名を問わず演歌歌手のキャンペーンに出くわす。

店内は物置みたい。CDよりカセットテープが多い。まだ売っているんだな。

いつぞや信号待ちをしていたら「森川つくし」ちゃんが歌っていた。頑張れー。

ロンドン五輪メダリスト4人、東京スイミングセンター。

丁稚ケイが生後6カ月から通っている。10回行くごとに水泳帽に貼るシールが1枚もらえる。

もう4枚目が近い。「デコ帽」状態になっている子もいるが、ケイのは真っ白いままだ。

なにせ縫い付けるのが面倒で貼っていない…。

3歳までのベビー教室で、毎回40〜60組ほど来ているだろうか。週末は父子ペアが8割ぐらいになる。子に泣かれて懸命にあやす姿がほほえましい。

プールサイドから飛び込ませたり、水中に沈めたり潜らせたり。うわー、大丈夫か。最初はドキドキした。

ケイは平気だった。

水中に頭まで沈めても泣きもしなかった。とはいえ楽しそうでもなかった。

「仕事や仕事、しょうがない」とでも言いたげな仏頂面だった。

近ごろはバシャバシャにこにこ、はしゃぐように。

問題は内容が毎回、ほとんど同じで私は飽きた。ケイの心は知らないが。またミッキーマウスマーチか…。、

いや、この単調に耐えてこそ栄光が待っている…のか。

アジフライ日本一(タダ認定)。巣鴨ときわ食堂。

巣鴨地蔵通商店街にある。3カ月前に倍ほどに広くなった。バギーでもスイスイ、入りやすくてありがたい。

のれんの端っこに何やら飛んでいる。

千鳥かな?いやよく見るとアジフライだった。あはは。

コロッケやポン酢まで自家製という。ぬか床は毎日300回混ぜ、みそ汁は1人分ずつ片手鍋で作っているのだとか。300回!

名物アジフライのほかにも気になるアイテムが目白押しなのだった。

イカの煮つけ、エビフライ…。

アジフライ定食は650円。カスタマイズ可能。

3尾にご飯、ぬか漬け、おいしいごはんが1杯おかわり無料でできる。みそ汁は生卵に替えることもできる。

2尾だと550円。女性なら十分かも。サクサクして揚げ物というのにくどくない。上手だな。

おまけに「かわいいねぇ、たくさん食べてね」などと話しかけてくれる。

チェーン店にはないあしらい、好きだなぁ。自家製のポテトサラダもうんと盛られている。モリモリ食べよう。300円。

あんパン日本一(勝手に認定)。創業96年の喜福堂。

スイミング帰りに立ち寄った。とげぬき地蔵で知られる高岩寺の前にある。

「あんぱんいかがですか」。木箱に並んだあんパンに吸い寄せられた。粒あん、こしあんが選べて1個200円。小さいのは160円。

何気なくいただだく。びっくりした。こりゃおいしい。かじったパンをまじまじと見る。君、そこいらの子と違うな。

ほおばれば「コレおいしいね」って言い合って、その場を和ませるような。

何気なくブログに書いたら4代目の店主マユコさんからメールが届いた。

2度目の「びっくり」だった。ひゃー、読んでくれたんだ。すっ飛んで行った。

4代目マユコさん、デニムのエプロンの人。

よく似合うな。あんパンの秘密を尋ねた。

「ブリオッシュ生地に近いんですよ」。卵が入ったリッチな味、なるほどね。おじいさんの代から変わらない。

あんも生あんを練って週に数回、炊いているという。「小さい店で全然、機械化していなくって…」。ちょっと恥ずかしそうに言った。

あなたが作っているんだったら、どれもおいしいに決まっているわ。まっすぐで素敵だな。いっぺんにファンになった。

喜福堂