パリ編[2]変わらぬ味とモダンなビストロと

子ども椅子がありホッお昼にステーキとフレンチフライデザートは「夏のヴァシュラン」中庭に面したエピスリー「トマッツ」オーダーを走り書きセプティムの魚料理セプティムのお肉料理、豚のローストセプティムのデザート、アンズのシャーベット

1ユーロ≒100円。

パリのホテルで朝食を。

パリに来るたびキッチン付きの部屋に泊まっている。ホテルは7、8年ぶりかも。

たった3泊、とにかく便利な場所で。老舗百貨店ル・ボンマルシェまで歩いて1分の宿を2カ月前にネットで予約した。

ありふれた中級ホテルで何の期待もしていなかったが、なかなかどうして。

朝食はセルフサービスではなく運んでくれる。クロワッサンとプチパン、ポットのコーヒーにオレンジジュースが出た。

なんてことないけれど「どフランス」な朝食だな。

ヌテラとたっぷりのジャムをつけていただく。あ、意外に…と言っては失礼かな。

フツーにおいしい。周りの席からはスペイン語や英語が聞こえる。子ども椅子もありがたい。

セーヌ左岸を散歩する。

「あれは何ですか」「この建物は」。26年ぶり2度目のパリになる相方ユウさんが尋ねる。

「さぁ何だろね」「分かりません」。自信を持って言えたのはルーブル美術館ぐらいだった。トホホ。

「留学中の2年間、よほど勉強ばっかりしていたのですね…」。ユウさんが言った。ちっ。

ギャラリーが並ぶボナパルト通り。どこかで見た顔が。

グレーのスーツを着た背の高い老紳士だった。女性に支えられながら、小さな画廊に入って行く。

目があった。

「うわ、シラクさん」。

すっとんきょうな声を上げた。「え、本人?」「うん、本当にソックリだなー」。2人で言い合っているうちに画廊に消えて行った。

うーん、信じられないけれど、やっぱり元大統領だったと思う。

「愛犬スモウは元気ですか」とでも訊けば、本人かどうか判別できたか。

お昼は老舗のステーキ店「ル・ルレ・ド・ラントルコット」へ。

広くてバギーでも入りやすい。

メニューは「ステーク・フリット(ステーキとフレンチフライ)」のみだから、オーダーも焼き方と飲み物を尋ねられるだけ。紙のテーブルクロスに走り書きするのも昔ながらでいいな。

くるみ入りサラダがすぐに現れた。

ステーキとセットで24.8ユーロ。

お肉は4切れ、おイモはどっさり。ちょうどいい量だな。

緑のソースはちょっと酸味が効いている。マスタードと何かハーブの香りがするような。

替え玉ならぬ替えステーキ&替えポテト。

わぁ、何と倍量だった。お替わりがあるんだ。冷めないようにとの心づかいがニクイ。

1回目とほぼ同量のステーキと細切りポテトがやってきた。うれしい。

デザートは「夏のヴァシュラン」。6.5ユーロ。

メレンゲ菓子とアイスクリームの組み合わせをヴァシュランと呼ぶ。何とも立派なタワー!

早く食べないと倒れそう。見た目よりずっと軽いのだった。

Le Relais de l’Entrecôte 

夜はバスチーユの「セプティム」。定食55ユーロ。

なかなか予約がとれない人気のビストロという。前菜、フォアグラ、魚、肉、デザートの5皿がお決まりでやってくる。ハーブづかいがモダンで斬新だな。

デザートはアンズのソルベ(シャーベット)にニンジンのクリーム、キャロットケーキ添えだった。

septime