2012年回顧編<下>&リンゴのヴァニラ煮★

パリのビストロ「ル・コルニッション」でパリ15区のクラフティパリの名惣菜店「ジル・ヴェロ」のフロマージュ・ド・テット6月、ローザンヌ近郊の眺めのいいキッチンで8月、巣鴨・喜福堂のあんぱんたち8月に千葉・mai cafeへ9月、ピエモンテのブドウ畑9月、福岡の母の病室前で9月、パリのリュクサンブール公園で11月の丁稚ケイ、生後1歳4カ月リンゴをヴァニラで煮る

2013年は…いっそのこと、世界一周?!

2012年は9カ国の空を34回、飛んだことになる。うわー、青くなる。どれだけ払ったんだ。

数回を除いてJALグループに乗った。

頼まれもしないのにJAL再建にどれだけ貢献したか…。って、そういうレベルで見ると微々たるものだが。

いっそ世界一周したほうがお財布的にはラクだったか。

2013年の旅先は…。

どこに行こうか、だれに会おうか。

あれこれ調べるのは旅そのものより好きかも。

ニュージーランド、ハワイ、トルコ、イスラエル…。

求む同行者。もれなく小怪獣のシッターつき。

丁稚ケイが2歳を迎え、しばらく旅立てなくなる前にまた、アメリカやパリにも行きたい。

年末年始はせいぜい、妄想旅行を楽しもう。

2012年5月 大阪、岡山、東北、パリ。フライト〜3回。

6月 パリ、アルザス、イタリア、ジュネーブ。フライト〜2回。

フランスとスイスで「和のおやつ」巡業をした。

合計9回で260人ほどの参加者に恵まれた。

アルザス2カ所目の有機栽培のお茶会社「レ・ジャルダン・ド・ガイア」が一番、熱心だった。

60人を超えて立ち見が出た。地元紙も取材に来た。

「だんご粉はどこで買えるの」「炊飯器で蒸せるか」。質問も飛ぶ。「おいしかった」「ゴチソウサマデシタ」…。盛りあがった。

2度とないかけがえのない経験になった。

手痛い失敗もした。先々が気になり、浮き足立った。

目の前のことから、ひとつずつ。魂を込めよう。そう教わった。

次のステップのための肥やしにしよう。

丁稚ケイはパリ・シャルルドゴール空港で1歳を迎えた。

7月 大阪、明石、香川、福岡、佐賀。フライト〜1回。

おやつデモをしながら西へ向かう。高松では半日で3食、うどんだった。1杯150円の小世界、恐るべきクオリティにひれ伏そう。

8月 フライト〜なし。

12カ月で唯一、飛ばなかった。「東京強化月間」と称して千葉、湘南、築地、巣鴨を歩いた。

9月 パリ、トリノ、福岡、岡山。フライト〜6回。

たった7泊が濃かった。チョコレートの街・トリノはジェラート族だらけだった。丁稚ケイと私、相方ユウさんで計90歳の初旅行だった。

ピエモンテではパスタ、チーズ、お菓子の職人に出会い、1人お仕事道にふれた。

戻って福岡へ。旅行中に母が入院していた。

10月 福岡、岡山。フライト〜2回。

福岡の姉宅で焼き菓子を仕込み、岡山大ホームカミングデーで講演した。母校のあたたかさに感激した。

11月 福岡 フライト~1回。

まさか母をみとる旅になるとは思いもしなかった。

母の最期は駆け足だった。「みんないるということは、もうダメなんかなぁ」。がんに巣食われて2年、初めての母の弱音だった。

「カヨチャン、ありがとーっ。チカチャン、ありがとう」。丁稚ケイに手を握らせ、冷たいほおに何度もキスをした。

「忙しいんじゃろ、もうええよ」。そう言って勝手に段取りして、母は逝ってしまった気がする。68歳だった。

12月 福岡 フライト~2回。

今週末の福岡で「旅納め」になる。

決して折り合いがいいとは言えぬ母娘だった。それでも埋めようのない穴が開いている。

無理してふさがなくても、いっか。

母がくれた「生き直す」チャンス、逃さずに大切にしよう。見とってやー、お母さん。

☆リンゴのヴァニラ煮

材料(出来上がり約400g)

リンゴ 2個(約500g)、ヴァニラビーンズ 1/2本、リンゴジュース 150g

1. リンゴは皮と芯を除いて8つ切りにする。ヴァニラ粒はサヤから出す。

2. 鍋にリンゴ、リンゴジュース、ヴァニラ粒とサヤを入れる。火にかけて沸騰したら弱火にする。ずらしてふたをする。

3.水分が飛ぶまで25〜30分、煮る。