「世界のおやつ旅」お披露目旅(6)大阪・帝塚山「プチ・ボヌール」

汗と涙の?新刊ツアー、千秋楽。

東京・荻窪のカフェ「6次元」を皮切りに、10日間で6カ所を回る旅になった。

出会いがあるから止められない。また次の本へとつなげたい。

「のぞみ」で岡山から大阪へ。

叔母たちの助けあってこそ。

「pieni..ecole+cafe」でのイベント中は丁稚ケイを預かってもらい、泊めてもらい、JR岡山駅まで送ってもらった。

「甘えられえよ」「またおいで」。やさしい言葉が胸にしみる。

JR大阪駅で腹ごしらえ。

パリから日本に進出したパン店「ドミニク・サブロン」でミルククリームパン、ヘーゼルナッツと黒豆入りパンを買う。コーヒーを頼んで合計759円。

帝塚山のアトリエ「プチ・ボヌール」へ。

パリで昨夏、開いた「和のおやつデモ」アシスタント・ミキちゃん、リサさんのお宅へ向かう。

「今年はいつ行きましょうか」「あちらでの仕事を探さないと」。勝手に盛り上がる。

愛すべき大阪マダム、集合。

料理教室を開くヨリコさん、アシスタントのカオリさん、パリの友ジョセフィーヌが席に着く。

リサさんからブリザードフラワーを習っている女性2人とは「はじめまして」だった。

ええと、お名前は。尋ねる。

「キティーです」「私はミミィです〜」「似てへんけど双子です〜」。

ぶぶっ。いきなり先制パンチ、さすが。

エレガントなマダムだって大阪ダマシイ満点、大好きだな。

帰り際にヨリコさんが言った。

「トイレ、一瞬、借ります」。すかさずカオリさんが何気なく返した。

「ほんま一瞬でええんですね、5瞬はいるでしょう」

いちいちツッコミが入るのが笑える。大阪、大好きだー。

ケイが2歳になったらもう飛べない。

航空運賃が跳ね上がる。

残すは4カ月、もう旅を止めなくては、翼を降りなくては…。近ごろの口ぐせを繰り返す。
リサさんは右手を伸ばして、何かを置くしぐさをした。

「マイクを置く代わりに、こうやってパスポートを床に置くんですよね」。

日本武道館での百恵ちゃん引退コンサートかっ。2人で突っ込む。

あはは、本当にそうしよう、暗くなったステージで。

「いや、そんなこと言って、行くでしょう」。

リサさんいぶかしげな目線を投げかける。うーん、そうかも。「ヤメヤメ詐欺」かも。

天下茶屋駅まで送ってもらった。

「1日中、雨でしたねぇ」「ミソギの雨でしょうねぇ〜」。

はてな、洗い清めないといけないことなんてあったっけ。あ。ハタと気付いた。

リサさん、私の「イケイケ詐欺」のことをさしていたんだ。

自分で言っておきながら忘れていた。あちゃー、さすが。

詐欺しておきながら全然、反省していないのだった。

帝塚山マダム、面白すぎる。それでも「いえいえ私なんて全然、面白くないですよ、大阪度8級ですよ」と言うのだった。やっぱり住むなら大阪でキマリか。

ホテル日航関西空港へ。

ピーチで福岡から飛んできた姉たちと合流する。「おかえりなさーい」。ホテルの扉を開けた。

たった1日ぶり、でもホッとする。