岡山〜大阪〜京都、行く行く詐欺ツアー

8:00、JAL1681便で岡山へ。

1歳9カ月になった丁稚ケイ、53回目のフライトになる。私より2回分、多い。相方ユウさんと2人で2週間前、鳥取へ飛んだから。

9:40、リムジンバスは…2時間半後?!

着いてバギーを受け取ってオムツを替え、空港ビルを出る。岡山駅行きのバスは…と。あれ、もう出たあとだった。次は…えっ、11時台までないの?しまった。

フライトにあわせてバスが出る。便数の少ない地方だと間隔があく。そりゃそうだが忘れていた。都会に慣れ切ったか。

そういえば電車通学していた高校時代、1時間に2本しかないJR赤穂線の時刻表なんてそらんじていたものだった。

母の初彼岸。

朝、通った小学校近くまでジョギングした。大正建築の教会、古い白壁の残る町並み、なつかしい。こんな素敵なところで育ったんだな。

叔父たち大人5人、双子×2組を含む子ども6人で備前へ向かった。途中で「備前海の駅」へ寄る。子どもたちはいけすの魚に騒いでいる。水族館ちゃうで〜。

入り江のほとりのお墓に参る。

やっぱり海はいいな。墓標に刻まれた母の名前をじっとみる。まだ不思議で、慣れない。

「シカが出るから花は飾れないんよ」。シキミを飾り、お墓に1人ずつ手をあわせる。

「あ、シカ、シカ!」

いとこの子ツバサ君が叫ぶ。

え、どこどこ。あ、本当だ。少し上から2頭、親子シカがじっとこちらを見下ろしていた。うわ、私たちの声が聞こえたか。

96歳になる祖母をデイケアホームに訪ね、37歳で亡くなった父の墓に寄る。

お昼は日生(ひなせ)名物カキオコ。

岩塩で食べさせる店「タマちゃん」へ。カキと細かく切った豚入りの「カキオコ豚の丞」にした。1500円。ふわっとした生地に岩塩とコショウが効いていた。

新幹線で大阪へ。

梅田にある「キッチンタウン・クリナップ・大阪」で「メープルの簡単おやつ」をテーマに実演した。

26階にあるショールームは別世界。

ピカピカの最新式キッチン、身分不相応だわ。京都の長屋アトリエにも来てくれていたアイさんに言われた。「また全然、違っていいですよね」。あはは、あそこは床も傾いていた。

イベント後にショールームを案内してもらった。細かく人物想定されたキッチン6つがあった。

日本びいきのドイツ人夫妻、23歳ギャルママ、北欧好きで7歳の子どもがいる30代夫婦…。

自動で洗ってくれる換気扇にときめく。おひとついただくわ〜。しれっと言いたい。

なんばパークス産経学園でも講座。

インド行く行く詐欺師も、そろそろ年貢のおさめどき。ええい最後だ大盤振る舞いだ。30人にとっておきのイタリア・ワインやフォアグラ入りパテ、ジャムをふるまった。インドに持って行けないし。

京都・寺町通へ。

阪急電車で河原町駅に着く。寺町通も市役所を過ぎればうんと静かになる。

心から落ち着く。やっぱり京都、好きだー。

「末廣寿司」の鯖寿司踊り食い。

姉一家4人とシェアした町家で寿司おけを囲む。大人6人前を頼んだはずが、あっというまになくなった。

大好きな鯖寿司を買い足しに。

閉店30分前にまた駆け込む。なかなか食べられないから…と2本分、頼む。1本3700円。

ただいまー、鯖寿司とうちゃーく。

ガラガラー。引き戸を勢いよく開けて戻る。シラーッ。

あれ、反応がない。甥っ子ユウが言った。「ボク、フツーのお寿司のがよかったのに」。ガクッ。

フン、あげないもんね。ほとんど1本分、モリモリ私がいただいた。おいしいね、って言い合えないって、すごく残念だけれど。

し、幸せ。いま死んでも悔いないわ。深夜2時、鯖寿司の群れがまだ我が胃袋で泳いでいる。うれしい苦しい大好き〜。