突撃!保育園探し@インド・グルガオン<下>

見学4校目、チェーン系インターナショナルスクールの新設プレスクールへ。

受付がスポーツカーみたいだった。遊園地みたい。

できたばかりらしくピカピカだった。まだ子どもが少なそうだった。デイケア(保育)も「申し込めばあなたが1人目」だという。

送迎なしで月3万9000円ほどだった。近くて清潔なのは魅力だが…。ピンと来ないのはなぜだろう。

5校目、ミワさんの息子ヒトシ君の通うナチュラル系へ。

わあ、明るい。大地を感じさせるアースカラーの校舎だった。シンプルで子どもにこびていない、落ち着いた雰囲気だな。

階段ではなくスロープで2階、3階に上がれる。「子どもには楽しく、安全なんですよ」。ミワさんが案内してくれた。

1歳11カ月の丁稚ケイも興奮。

魚が泳ぐ小さな池に声を挙げている。駆け回り出した。楽しそう。いままでの4校は私から離れなかったのに。

私は入り口に置かれたメニュー表にときめいた。わーお、面白そう。どれどれ。

午前10時半と午後に2回スナック、12:30から昼食なんだな。

どれどれ、月曜日の献立は…。

朝スナック:甘い細麺

昼食:ムング豆のダル(スープ)、パニール(チーズ)炒め、ライタ(ヨーグルトサラダ)、ご飯、ロティ(チャパティ)、サラダ、パパド(豆せんべい)。

午後スナック:チーズサンドイッチ、ポップコーン

うわー、どインド飯。

手をたたいて喜んだ。「インドの保育園の菜食レシピ」なんて、本にしたいぐらいだわ。ワクワクする。それだけでここに決めそうになる。

いやいや、冷静に。ちょっとのぞかせてもらおう。1時間目はダンス・レッスンのようで、7,8人の子どもたちが音楽にあわせて体を動かしていた。

先生たちの感じもいいな。

事務の男性スタッフも積極的だった。「入学金は半額に、授業料は20%引きにします」。へえー、ディスカウントありなんだ。

電卓を借りて計算した。入学金や設備代を入れてならす。午前9時から午後6時、月額1万9000円ほどだった。ちょっと遠いが手ごろで、何より気に入った。

すぐ入れたい。

受付から乗り出す。スタッフにたたみかけた。「来週から入れますか?」。黙って小首をかしげている。「送迎バスは?」やっぱり首をゆらゆら倒している。

日本人的には不安になるが、インド人の「イエス」のしぐさなのだった。

話が早い、私向きだ。

もう1カ所、見学に行くつもりだったがやめた。お手ごろというのもあるが、何より雰囲気が気に入った。

ミワさん、いいですか。私たち、入って。せっかく探したとっておきの場所に乱入しちゃって申し訳ないけれど…。

「もちろん!でもいいんですか、決めちゃって」。快く答えてくれた。よかった、では迷わずゴー、だ。

スタッフに言った。

「決めました、来週から連れてきます。必要書類を教えて。明日そろえて持ってきます」。

書類一覧をもらい、見積書を受け取る。

5月末まで1週間は「サマーキャンプ」名目の授業に加わり、午後からはデイケアへ。

6月はプレスクールが夏休みのため、午前9時〜午後6時半のデイケアへ。

7月からプレスクール+デイケアで午前9時〜午後6時半になる。

授業料や保育料を週割り、日割りにしてくれる対応もありがたい。日本じゃ考えられないな。

「腸チフスは受けましたか?」。

ミワさんに訊かれた。日本では未承認だが、インドでは義務付けられているという。

「プールに入って水を飲んだりするかもしれないから…」とのことだった。じゃあ受けよう。すぐに医療アシスタントサービス会社に電話して予約を入れてもらった。

翌日さっそく、書類集め。

総合病院へ腸チフスの予防接種に行く。

下痢のときにかかった病院より新しく、先生も親切なうえ、子どもの遊び場まであった。次からはこちらにしよう。

パスポートサイズの写真5枚、予防接種記録の写し、誕生日や住所証明のコピー…。

日本ではあっというまに済むことでも、慣れない土地だと手間取る。

コピー機は文房具店の2階にあった。おじさんが1枚ずつコピーしてくれた。さすがインド、どこでも人力なのだった。A4サイズ5枚で10ルピー(20円)。

写真はケイが嫌がった。

体をのけぞらせて泣き叫ぶ。ああ、日本でも大変だった。

でもインド10億総子ども好き、もたもたしていてもだれも何も言わない。

カメラマン2人がかりであやしてくれてほんの一瞬、正面を向いたところを撮ってくれた。すばらしい。

ちょっと泣き笑いだが、撮れたら何でもいいや。

書類をそろえてプレスクールに向かう。授業料を払い、登録は完了した。

来週からサマーキャンプ。

「慣らし保育」と称して1週間、様子見することにした。どんな給食だろう。あわよくばちょっと、食べさせてもらおう。相方ユウさんは「水とか大丈夫かなあ」と心配しているけれど。