カエデほど無限の美しさで魅了する植物はないと思う。

日本一のメープルパーク開園をめざす人 矢野正善さん日本一のメープルパーク開園をめざす人
矢野正善さん(奈良県宇陀市菟田野)

菟田野花き植木切り花研究会
〒633-2223 宇陀市菟田野宇賀志1935
TEL 0745-84-4760
E-mail:ma77ak36ml@kcn.jp
菟田野カエデ・モミジ資料・写真植物園
矢野さん(圃場管理人)のブログ

メープルの日本名はカエデ。そのカエデを育て、日本一のメープルパークを作る夢にかけている人がいます。かつて著名な料理写真家であった矢野さんは、なぜカエデと人生を共にするようになったのでしょう。カエデはもともと樹液が甘くて、野生の鹿が樹皮をカリカリとかじるのだそう。そんな面白いお話も聞きました。

日本一のメープルパークを

ずいぶん広い土地に、たくさんカエデが植えられていますね。

この山里で今、メープルパークに移植するカエデを菟田野花き植木切り花研究会の皆さんとお世話しています。植物を育てる場所を圃場(ほじょう)と呼びますが、5,500㎡もあって、カエデや、その下草にする草花がいっぱい育っています。以前住んでいた奈良市内の自宅で育てていたカエデをこちらに移植、さらに採取したものやいただいたものが加わって、1200種3000本のカエデが揃いました。

日本に自生する野生のカエデの珍しいものや、江戸時代から国内外の愛好家の手で育てられた園芸品種がたくさんあります。ここ菟田野(うたの)は、桜の名所の吉野にも近い古代文化の栄えた地。冬は寒くて、毎年10㎝ほど雪が積もり家の中でも氷が張ります。冷えるときはグンと冷える。しかも葉に付く細かな汚れが、ここではほとんど付かない。カエデが育つにはとてもいい環境なんです。

なぜ菟田野にメープルパークを?

日本のカエデは元禄時代から栽培が盛んになり、明治時代には200余りもの品種が輸出され、海外でも人気を集めていたんです。ところが今では、ヨーロッパの植物園やアメリカのオレゴン州など外国で大切にされているのに、本家本元の日本では秋の紅葉シーズンに眺めるだけ。本当のカエデの美しさに触れるチャンスが少ないため、知らない人が大半なのです。もっとカエデの素晴らしい美しさに触れてほしい。

そんな思いから、カエデの自然観光植物園の構想を温め、呼びかけてきました。名乗りをあげてくれたのが当時の菟田野町です。そこで、長年集めてきたカエデや、カエデに関する膨大なコレクションをすべて寄贈しました。私自身はカエデのアドバイザーとして最低限生活できればいいと。夢で終わりたくないことが夢だったのです。

すでに用地も決まっているそうですね?

カエデが芽吹く春の圃場

▲芽吹きの春を迎えた菟田野カエデ圃場

設立には、廃校がよいと思っていました。運動場が駐車場や温室に利用でき、教室は講演やイベントの会場にできます。資料展示室や喫茶店、できればキャンプ場も作りたい。夢は果てしないです(笑)。幸いメープルパークの用地は、菟田野にある廃校になった旧宇太小学校に決まり、来年(2012年)はいよいよカエデを圃場から移植する予定です。

この小学校には、NHKの朝ドラ「あすか」の舞台になった古い木造2階建校舎があり、保存を望む声が多数寄せられていたので、カエデと校舎がいい眺めをつくり出してくれることでしょう。将来は菟田野が「カエデの里」となって、里山との共生の一つのモデルになればと思っています。

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