パリ、アルザス、スイスで「和のおやつ」デモをした。
計9回で260人ほどに会ったことになる。
アイタター、と心で叫ぶチョンボとズッコケを連発しつつ、たくさんの人に助けられた。
めげそうになってもご縁に救われた。1000回ありがとう、を言っても足らない。
会場で書いてもらったアンケートでは、おおむね好評…でも反省も。
「情熱的なレクチャーだった」「微笑みと美しいレッスンをありがとう。ブラボー!」…。
もちろん「前置きが長い」「分かりにくかった」との意見もあった。どちらの意見も本当にありがたい。
旅しながら思った。もっと上手な作り手、話し手はたくさんいる。
タレントでもシェフでもカリスマ主婦でもない私がするって、お呼びじゃないか。
くしくもジュネーブでユカ先生に問われた。「チカコサンのめざすところは何ですか」。
ちょっとドキッとしつつ答えた。
「おやつを作って、書く」。会社を辞めた7年前から変わらない。
とはいえ懲りずにノコノコ、出かけちゃうんだろうな、きっと。もうちょっとストライクかボールか、見極めてからバットを振れよ、なのだけれど。
■パリ・日本文化会館「和のおやつ」
ベビーシッター…大阪より同行のリサさん
テーマ〜親子ワークショップ「ホットプレートで楽しくおやつ」30人×2回
献立:鮎焼き、芋きんつば
<反省>ホットプレートと電源によって火力に差があり苦戦。きんつばがうまく焼けずトホホ。
<感謝>すぐ近くに住むエレーヌと出会い、自宅を訪ねて「おやつレッスン」。
テーマ〜「東北のおやつ」参加25人+20人
献立:岩手がんづき、宮城がんづき、岩手・大槌の「ひょうずだんご」(蒸して)
<反省>日本の方と日本語で話してしまい、「それは止めてください」とたしなめられる。ショボン。
<感謝>空席が目立ちそうだったのにデモ開始1時間前、手伝ってくれたハナコさんの一声で満席に。ミラクル!
■ストラスブール・欧州評議会「東北のおやつ」〜主催:在ストラスブール日本総領事館
ベビーシッター…パリより同行のカヨコさん
献立:岩手がんづき、宮城がんづき、岩手・大槌の「ひょうずだんご」(焼いて)
<感謝>開始時間の午後5時半になっても席が半分ほどしか埋まっていなかったが結局、60席が埋まった。ま、しかたないか。ひょうずだんごは焼いたら好評だった。
■ストラスブール近郊の村ヴィッテスハイムの有機茶販売「レ・ジャルダン・デ・ガイア」
テーマ〜「和のおやつ」参加70人
ベビーシッター:カヨコさん
献立:岩手がんづき、宮城がんづき、白玉だんごに「ひょうずだんご」のクルミごまみそを添えて
<感謝>ブドウ畑の中にあるお茶屋さんのサロンは、立ち見が出る熱気だった。パリから運んだ2種のがんづきが無事でホッ。
■スイス・ローザンヌ近郊、ナツミさん宅
テーマ〜「和のおやつ、東北のおやつ」参加者4人×2回、ベビーシッター:小5のユマナちゃん
献立:鮎焼き、岩手がんづき、白玉だんご、クルミごまみそ添え
<感謝>眼下に広がるのはブドウ畑の緑、青いレマン湖の向こうにエヴィアンの街並み、白い雪をかぶったモンブラン…。私史上、世界一眺めのいいキッチンだった。
■ジュネーブ・UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
テーマ〜「Sweet for thought」参加者:20〜30人?
ベビーシッター:なし
献立:宮城がんづきUNHCRバージョン(クルミを難民配給食料のトウモロコシで代用)、黒糖かりんとう、アフリカのおやつバカラガラ
<反省>苦戦。仏語で説明していたら南アジア系とおぼしき女性から「Speak English」とザ・中学英語で言われ撃沈。ここはジュネーブ、仏語圏なのにー。帰ったら英語、勉強しよう。人生1000回目(推定)の決意。
☆鮎焼き(長さ10〜12㎝、8尾)
<ぎゅうひ>白玉粉大さじ2(30g)、砂糖大さじ2(30g)、水大さじ2(30g)、片栗粉少々
1.白玉粉に水を混ぜる。だまがなくなるまでスプーンで混ぜる。
2.砂糖を加えて混ぜる。蒸気のよく立った蒸し器で15分ほど蒸す。
3.熱いうちにスプーンで20回ほどこねる。片栗粉を敷いたバッドに入れる。平らにならす。16㎝×6㎝の長方形に。
4.冷めてから2㎝×3㎝の長方形に8等分する。
<皮>
卵1個、砂糖50g、はちみつ小さじ2(14g)、薄力粉50g、サラダ油小さじ1(5g)、水大さじ2(30)g、インスタントコーヒー少々(3つまみ)
1.卵に砂糖、はちみつ、サラダ油、水をよく混ぜる。
2.薄力粉をふるい入れる。だまがなくなるまで泡立て器でよく混ぜる。冷蔵庫で30分以上、休ませる。
3.フライパンかホットプレートを中火で温める。大さじ2ずつたらす。直径10〜12㎝、幅8㎝ほどの楕円にする。
4.表面が乾いてプツプツ穴があき、裏が茶色に焼けたらひっくり返す。さっと焼く。
5.最初に焼いた面を外側にして真ん中にぎゅうひをのせる。2つ折りする。
6.インスタントコーヒーをお湯少々で溶く。お箸の先につけて目や尾ひれを描く。
<メモ>・中身は市販のあんこ、ジャム、ホイップクリーム、ヌテラ…いろいろはさんで「手巻き鮎」を楽しんで。
・はちみつ、サラダ油を入れるとしっとり、やわらかく仕上がります。
・インスタントコーヒーの代わりにココアでも。
☆メープルシュガーで作ったら
<ぎゅうひ>砂糖30gを同量のメープルシュガーで置き換えます。やわらかさ、のび、断然いいです。おすすめ。
<皮>砂糖50gを同量のメープルシュガーで置き換えます。コクのある香りになります。