子連れ旅は2012年、2月の台湾から始まった。
丁稚ケイは生後8カ月だった。3カ月で出かけたパリに続き、2度目の海外だった。羽田から3時間半後、雨の台北・松山空港に降り立った。
すぐ新幹線・台湾高鐡に乗って中南部の都市・嘉義へ。福岡からやってくる姉と双子の甥っ子と、現地集合だった。
子連れ旅、あんまり移動代はケチらず、が鉄則だ。ビジネスクラス(グリーン車)にした。1時間20分で1455NTドル(4000円)だった。
日本の新幹線700系の改良型で、外観はそっくり。
違うのはトイレが広く、おむつ替え台はもちろん子ども椅子もあった。楽々だわ。
乗るとすぐレモンケーキとミネラルウォーターが配られた。コーヒーは無料サービスだった。レモンケーキはカステラのレモンピール入りという感じで、あっさり。おいしい。
台湾4日目、台南から台北へ。
「まだお腹パンパンに食べてないなー」。研究のための取材を終え、ホッとしたのか姉が言った。確かに。く、苦しい…もう動けない…という旅行者食べをしていない。私としたことが。
永康街にある上海料理「高記」へ。
丁稚ケイ以外は2度目の訪問になる。名物・アツアツの鉄鍋で出される焼き肉まん(上海鐵鍋生煎包)が食べたかった。10個入り180NTドル(510円)だった。
やっぱりデザートがないと終われない。
姉と言いつつ頼んだのが「黒糖蜜豆花」55NTドル(190円)だった。定番だが、黒みつとゆでピーナッツ、黒すりごまの組み合わせが新鮮だった。奪い合って食べる。
夜も「豆花」の看板にみいられた。「古早味豆花専賣店」。食べ比べよう。
トッピングを選ばないと。ピーナッツ、あずき、緑豆、インゲンマメ、ハトムギ、サツマイモに白玉…ほとんどが35NTドル(100円)だった。迷ったら一番最初のアイテムに。我がオキテを守ってピーナッツにした。
シロップと豆腐の関係がみそ汁みたい。「高記」に比べて「つゆだく」だな。
姉が頼んだあずきと練乳かき氷は70NTドル(200円)だった。うわぁ、氷、ふわっふわ。6歳児リョウは言った。
「犬の毛みたいだねぇ」。本当に。
さらにもう一軒、近くにある「豆花荘」へ。
ピーナッツ豆花はやはり35NTドル(100円)だった。「古早味」が豆腐の味が濃くて好きかな。
痛恨、パスポート取り違え事件
姉たち3人は夕方の便で福岡へ戻る。私は午前10時発の成田便へ。夕方便もあったが午前便より1.5万円も高かった。
タクシーで桃園空港へ。1400NTドル(4000円)。高いなぁ。
着いたのは午前7時20分だった。チェックインしようとパスポート2冊を取り出す。
「お客様、パスポートが…」と地上スタッフ。ん?
写真のあるページがちらりと見えた。写真は3年前の私の指名手配ヅラではなく、妙に目のパッチリした姉だった。
もう1冊は甥っ子ユウだった。
ぎゃー。
台北のホテルでチェックイン時に提示を求められ、5冊まとめて姉が渡した。あの時、取り違えたんだ。
姉の携帯に電話する。出ない。片道40分、私が帰ったほうが早そうだ。台湾ドルは使い切っていた。慌てて両替の列に並ぶ。
タクシーに飛び乗った。あーあ、アホや。
車中でやっと、姉が電話に出た。「朝ご飯、食べてたー」。がくーっ。
ホテル玄関でパスポートを交換、そのまま空港へUターンした。
出発1時間前には着いたが、あーあ、1.5往復でタクシー代が1万円以上にもなったよ…。午後便にしておけばよかった。
チカチャン、あのとき、おこっとったと〜。いまだにユウにからかわれるのだった。
☆黒みつ豆花(トウファ)2人分
<豆花>豆乳160g(成分無調整)、板ゼラチン1.5g(1枚)、砂糖小さじ2
<黒糖シロップ>黒糖(粉末)大さじ2、熱湯大さじ3
<トッピング>(いずれも、あれば)ゆでピーナッツ(市販品)、練り黒ゴマ小さじ2、すり黒ゴマ小さじ2
1. 豆花を作る。板ゼラチンはたっぷりの水に3〜5分ほど浸してふやかす。
2. 鍋に豆乳と砂糖を入れる。木べらで混ぜながら火にかける。湯気が立つぐらい(50℃〜60℃)で火を止める。
3. 水気を絞った板ゼラチンを加える。よく混ぜる。
4. 氷水を当てて粗熱を取る。冷蔵庫で3時間以上、冷やす。
5. 黒糖シロップを作る。熱湯に黒糖を溶かして冷やしておく。
6. シロップを半量ずつ器2つに入れる。豆花も半分ずつ大きめのスプーンですくって入れる。あればゆでピーナッツや練りごま、すりごまをのせて召し上がれ。
☆メープルシュガーで作ったら
・シロップの黒糖を同量のメープルシュガーに置き換えます。あっさりとしたカラメルのようで、よくあいます。
・トッピングにもメープルシュガーをパラパラと。シャリシャリした食感が楽しめます。