「ところでインド行きは?」。
会えば訊かれる。築地ツアーに付き合ってくれたナオコさんには、先回りして言った。「あ、年内はいますから!」。
インドへ引っ越す。決めたのは2年前のいまごろだった。
京都のアトリエを引き払い、身の回りのものすべてをインドに送った。派手に送別会をしてもらったのに京都に舞い戻り、さらに流れて東京へ。
仮住まい2年、オーカミ少年。
半年後には行くはず…などといいつつ2年、居座っている。
あーあ、服も靴も本も缶詰も、新品の精米機や変圧器も、どうなっているやら。
50℃になる地の倉庫で2年、耐久実験するために持ち込んだわけじゃ、ないぞーっ。
天竺の空に向かって叫びそう。考えない、考えない。本題、本題。
東京でもパリでもインドでも市場は楽しい。
パリらしいのは16区・イエナ市場だな。シェフ御用達の八百屋さん、おいしいクレープ屋さん…。住んでいるころは高いし、わざわざ行かなかったけれど。
デリーの築地は「INAマーケット」。
スパイスや野菜、サリーなどなんでもござれ。魚屋さんもあった。
魚をおろす包丁は固定式で、アラジンと魔法のランプに出てきそうなサーベルみたい。包丁でなくて魚を動かすんだな。
上半身、裸の男の子がホースの水で大きな魚を洗っていた。
眺めているとホースの先をくるり、自分のほうに向けたかと思うと頭をジャーッ、ゴシゴシ…。
魚の隣でシャンプーか。アワワ。さすがインド、市場は人まで面白い。
築地で出会ったジェノベーゼ、再現。
ジェノベーゼと言えばバジルだけれど、有楽町にあった「だしcafe」で昨冬、ブロッコリー版を披露した。
ゴーヤーの苦みもスパイスと考えれば、ジェノベーゼにぴったりだな。
炭酸水で割って。メープルのジンジャーエール。
築地を歩きながらサイダーをごくり、帰りにまた1本、炭酸水をグビグビ…1日2リットルは飲んでいるような。
まだ授乳中、ビールでシュワシュワ、ごっくんというわけにいかないし。
ナオコさんは言った。お気に入りの炭酸水があったのだが、「泡が弱くなった」。分かる、分かる。
微発泡なんて余計なお世話じゃー。
しっかりシュワシュワ、してほしい。いろいろ試したが一番、お気に入りはセブンイレブンの炭酸水かも。
ジンジャーエールも、しっかりショウガ味がしてほしい。市販のは物足りない。自家製が一番だな。
☆ゴーヤーのジェノベーゼ(出来上がり450g)
ゴーヤー 1本(230g〜300g)、ニンニク2かけ、パルミジャーノ60g、オリーブ油大さじ6、松の実かカシューナッツ大さじ4(40g)、アンチョビ4枚
1. ゴーヤーは縦半分に切り、わたと種を取る。横4つに切る。
2. 材料をすべてフードプロセッサーに入れる。なめらかなペースト状になればOK。
<メモ>
ゴーヤーの苦みを抑えたければ、薄切りにして10分ほど水にさらします。
☆ブロッコリーのジェノベーゼ(出来上がり350g)
ブロッコリー2分の1株 (約150g)、ニンニク2かけ、パルミジャーノ100g、オリーブ油大さじ6、松の実かカシューナッツ50g、アンチョビ4枚
1. ブロッコリーは小房に分け、茎も2~3つに切って熱湯で塩ゆでする。スッと串が通るぐらいになればOK。
2. 粗熱がとれたらすべてをフードプロセッサーに。
3.なめらかなペースト状になればOK。塩けをみて足らないようならアンチョビを足す。
☆メープル・ジンジャー・シロップ(190g)
ショウガ1かけ(40g)、メープルシュガー100g、熱湯50g
1. ショウガはよく洗って皮ごと薄切りにする。スライサーがあると便利。
2. ショウガとメープルシュガーをあわせ、熱湯を注ぐ。よく混ぜて溶かす。冷蔵庫に1晩、おく。
3. シロップを炭酸水(市販)で薄めて召し上がれ。およそ1:3の割合で。ショウガを浮かべても。
<メモ>
メープルシロップでもつくれます。薄切りショウガに150gのシロップを注いでください。