ジュネーブ在住のトシさんと再会。
6月にジュネーブでお世話になった。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)本部に勤める彼に買い物を頼んでいた。
スイスと言えば…のスーパー「ミグロ」やコープで6月、買い込んだ品々よ、もう一度。
丁稚の黙らせコンポート。
リンゴのコンポート、イチゴ味がお気に入りなのだった。
砂糖なしなのにおいしい。丁稚ケイが食いついた。朝チュー、泣いてもチュー、おやつにチュー。って多用しすぎか。すぐなくなった。
ないものは作ろう。
リンゴの季節になり、紅玉を見つけたら冷凍イチゴと煮ている。リンゴが真っ赤に染まるのも楽しい。
カラフルな荷造りヒモも愛用。
リサイクルのヒモで2色、3色づかい、荷ヒモにするにはもったいない。手製菓子のおすそわけにちょうどいい。
トシさんお気に入り、スポンジぞうきん。
ミグロで買ってくれた。3枚3スイスフラン(250円)。生後1歳4カ月のプチ怪獣は食べ散らかしの名人だった。
床拭きのために生まれてきたのか私って…、と床に向かって叫ぶ日々、大助かり。
「内藤農園」の夏みかんマーマレードも。
トシオさんは「炎のマーマレード職人」だった。いただいてひとめぼれした。オレンジ色がキラキラ輝いていた。甘さと酸っぱさを、皮の苦みが追いかける。
冬から春先にかけて島根の実家で育つ実で作る。もう7年になるという。
おいしいマーマレードの作り方は…。
むいた皮をまず、絞り汁と水で30分ほど煮てから実とあわせる。また30分ほど煮る。おしまいに上白糖を足す。なめらかで透明感が出る。
実は戦慄のレシピだった。シロップ弾、多発。
煮汁が飛び散ってヤケド覚悟なのだとか。長手袋とエプロンが欠かせない。たくさんヤケドをこしらえる。
「シロップ被弾率はバグダッド国連宿舎ロケット砲のヒット率よりも高い」。何だかすごい。
決め手は皮を先にゆでることと、高温で素早く煮て色を保つこと。
だから被弾するのだが…。とても人には勧められない「戦慄のレシピ」なのだった。
東京・江戸川橋の鯛焼き「浪花家」へ。
トシオさんいわく「骨董的」な鯛焼き屋さんがあるという。「江戸川橋地蔵通り商店街」に向かった。
昭和の歌謡曲がBGMで流れている。いい味だしている。
鯛焼きにたどり着くころ「津軽海峡冬景色」に。
わーたしーはひとり〜。こぶしを回しつつ焼きたてを待つ。鯛焼き150円。1個ずつ手焼きしている。ミミを切って渡してくれた。
トシオさんが言った。「バリを落とすんですよ」。バリ?プラモデル用語だという。あーあ、端っこね。
ハフハフする。皮が薄くて、もたもたしない。いいな。
今冬のマーマレードづくりは…。
肝心の夏みかんが今年、あまり実らなかった。トシオさんは「取り寄せて作ろうかな」。
パートナーで瓶詰め担当・ナオミさんは返した。「実家で、お父さんが植えた夏みかんで作る、というのが素敵なんじゃない」。そうかも。
でも内藤農園のマーマレードを一度、味わうと市販品が買えなくなる。戦慄のレシピ、ついに我が台所に登板か…。
☆マーマレードのケーキ(直径18㎝1台)
バター100g、砂糖100g、卵2個、マーマレード120g、薄力粉100g、ベーキングパウダー小さじ2分の1、牛乳大さじ2、オレンジ1個(飾り用、あれば)
1. 室温においてやわらかくしたバターを練る。砂糖を入れて泡立て器でかきたてる。
2. 白っぽくなったら薄力粉を大さじ2ほどふるい入れて混ぜる。溶いた卵を少しずつ加える。マーマレードも混ぜる。
3. 残りの粉もベーキングパウダーと一緒にふるい入れる。ゴムべらで混ぜる。
4. 牛乳を加えてしっかり混ぜる。
5. 敷き紙を敷いた型に流す。200℃に温めたオーブンを170℃に下げ、30分ほど焼く。
6. 冷めたらオレンジの輪切りを飾る。
<メモ>
・少しの薄力粉を卵より先に入れることで、卵とバターが分離せずなじみやすくなります。