ベビー水泳教室を卒業。
いや中退か落第か。五輪メダリストを輩出する名門クラブで3歳未満が対象だった。
生後6カ月になった昨年1月、通い始めた。丁稚ケイをダシにして私が行きたかった。
ほとんど泳げなかったが妊婦時代、ジョギング替わりに水泳教室に通い、のめり込んだ。
1年続けた結果は…。
最低でも月4回、夏はフリーコースにして15回、通った。プールまで往復40分、歩くだけカロリー消費にはなったか。
赤子を水面に投げたり沈めたりするぐらいじゃ大食い帳消しにならない。当たり前か。
歩けると外で遊べるようになった。
五輪選手を教えた名コーチも大学の指導が主になるというし(一度も姿さえ見なかったが)、私たちも移籍しよう…公園へ。
プールサイドで最初で最後の撮影。
撮影には許可がいるため、1年で計70回通ったのに写真がない。せっかく大枚はたいて通ったのに。証拠写真を撮っておこう。
大きくなったら恩着せがましく見せてやろう。
1年前に買った水着もピッチピチになった。無理やり着せる。
最初はハイハイで。
プールに入れても嫌がらず、怖がらず。水に潜らせても泣きもしなかった。
その替わり楽しそうでもなかった。「あっぷっぷー!」と私がノリノリでも、シラーッ。
「仕事しごと、しゃーない」とでも言いそうな仏頂面で、されるがままになっていた。
3カ月後に笑うように。
キューピーさんにちょっかいを出す。水面に浮かべたおもちゃをつかんではしゃぐ。
私は飽きてきた。
「ぐーちょきぱーで、なにつくろう〜」「むすんで、ひらいて〜」。
準備体操もプールで歌う曲もすることも、いつも同じだった。
偉大なるマンネリの先に、栄光がある…のか。
とはいえ細々と続けているジョギングなんて、ただ走るだけだ。もっと単調じゃないのか、私。
自分にツッコミを入れてみる。いやいや外を走れば景色も変わるし…。
スイミング後は巣鴨・地蔵通りにあるパン店「喜福堂」へ寄るのが楽しみだった。
新刊「世界のおやつ旅」にも教わったフレンチトーストが登場する。
大事な本を携えてお礼に行った。
「メープル・ピープル」の記事を印字して張ってくれていた。
「このケイ君の笑顔がよくって」。4代目マユコさんが言ってくれた。
公園デビュー。
ケイはボールを蹴ったりハトに話しかけたり、小学生たちの輪に入ろうとしたり。
横目で見ながら私は公園の木々の合間を走り回る。
ぐーるぐる。水泳教室よりは動いている気はするが、そのうち溶けてバターになりそう。
1歳7カ月、チョコレートに夢中。
生後1歳1カ月のころ、私の姉がチョコレート・アイスを食べさせたのが「中毒」の始まりだった。
「あ、そういえば1歳のころ、自分の子にはチョコなんてやってなかったな」。
お、叔母さん、あなたときたら。
チョコレートを作っていたら見つかった。「ち、ち」。指さしてせがむ。
「大人の割りチョコ」なのだから。
新刊「世界のおやつ旅」ではワイン漬けレーズン・チョコと一緒に撮影した。
まぁるくコイン型にかためたチョコを見たスタイリストのキョーコさんは言った。
「もっと手作りっぽく、ごつごついびつなほうがタダサンらしいですよ」。
そうだ、きれいなおすましチョコならいくらでも売っている。
気取らないけれど味わい深い「大人の割りチョコ」と名付けた。
小さなトフィー用のハンマーを添えたスタイリングがマッチョで小粋で、気に入っている。
あ、ケイに見つかりそう。君には20年早い。
☆ピンクペッパー入りホワイトチョコ
材料(直径6cm,10枚)
ホワイトチョコ 100g、ピンクペッパー 小さじ1
1刻んだホワイト.チョコをボウルに入れる。
2湯気がボウルわきから出ない小さめサイズの鍋かボウルを用意する。
3チョコを入れたボウルの底が当たるぐらいのお湯を張る。湯気が立つぐらい(40〜50℃)。
4.ゴムべらでゆっくり混ぜて溶かす。ピンクペッパーの半量を手で砕き入れて混ぜる。
5..敷き紙に垂らす。冷えないうちにピンクペッパーを手でつぶし散らす。
<メモ>
作りたては最高!ドライフルーツやナッツにかけてももちろんおいしいです。