料理研究家フィオーナの「ディップ教室」。
まずは近所で毎週末、開かれる「ハミルトン・ファーマーズ・マーケット」へ一緒に出掛けた。
彼女はマーケット運営に携わっていた時期があり、料理デモをしていたこともある。
顔なじみの店に次々立ち寄る。
トマト、バジル、アボカド、パン…てきぱきと買い物を済ませる。
「じゃ、散歩を楽しんで。先に帰って準備しているから」。
イギリスから40年前、ニュージーランドに。
2人の子は独立した。フードライターとして地元紙に料理コラムとエッセーを書く。
13年前からベジタリアン。
フムスを教えてくれたギリシャ系のアシーナ、ドイツ人アーニャ…そしてフィオーナも。
ワイカト大学で教えるフミコさんが紹介してくれた3人とも、ベジタリアンだった。
ニュージーランドに多いのかな?フミコさんに訊く。「いや、たまたま私の周囲だけ!」。
うーん、そうだろうな。街ゆく人たち、みんなラグビー、強そうだったしな…。
レシピはマーケットから。
古い本からもインスピレーションをもらう。
「オリーブオイルとガーリックが欠かせないわ。私の料理は、ちょっとイタリア風かしら」。
理想的なキッチン。
天井から鍋やフライパンがぶら下がる。アンティーク市で買った古いルクルーゼ、スキレット…いいな。
シアトルでお邪魔した双子の母ローリー宅を思い出す。
私もマネしたい…が、東京じゃ地震が怖いか。
引っ越す予定のインドでやってみよう。あ、欠陥工事が怖いか…。
紹介してくれたのは「サルサ・ヴェルデ」。
サルサ…って、踊りの? 腰をクネクネして笑われた。
サルサはスペイン語で「ソース」だった。ヴェルデは緑、夏のディップだな。
フードプロセッサーに材料を入れていく。
真っ先に茶色いかたまりを入れた。何だろう。
赤ワインヴィネガーとバルサミコ酢少々に浸した全粒粉パンだった。
へえ、パンを入れるんだ。
あとはバジルにイタリアンパセリ、塩、固ゆで卵1個、ミント、レモン、ケッパー、オリーブオイル、ニンニクを入れた。
パンと卵入りなんて、これだけで朝食になりそうな…。
フードプロセッサーで混ぜればできあがり。
日本ではちょうど菜の花の季節、「菜の花サルサ」にしてみよう。
チャバッタをグリル。
ハミルトンの人気パン屋「ヴォラーレ」のものだった。焼き目がつくとさらにおいしそう。見た目は大事だな。
アボカドを塗り、サルサ・ヴェルデをのせる。
ダブル緑だな。連れてきた甥っ子ユウが夢中になった。「おいしいっ」。
ディップはパンを入れたおかげで、軽い口当たりに。ねっとりとしたアボカドとのコンビ、面白い。
もう1品は、「焼くだけトマトディップ」。
小さなトマトを半分に切り、オリーブオイルとガーリックをのせて160℃で1時間ほど焼く。
しっかり焦げ目をつけるのがポイントか。
フィオーナもこまめにチェックして「うーん、もう少し」とオーブンに戻していた。
焼きトマトにもアボカドを。
ぎゅっと凝縮した真っ赤なうまみ、たまらない。
甥っ子ユウは言った。「アボカドの家、また行きたいな」。うーん、日本からはちょっと遠いけれどね…。
フミコさんがいる限り、また行けるような気がする。
☆サルサ・ヴェルデ(できあがり150g)
バジル30枚、ニンニク1かけ、ケッパー小さじ2、オリーブ油大さじ3、8枚切り食パン1枚、塩小さじ4分の1
1. 食パンはトーストする。
2. 材料すべてをフードプロセッサーにかけてなめらかにする。
<メモ>
・パンやクラッカーにのせたり、パスタにあえたりしてどうぞ。
☆菜の花サルサ(出来上がり200g)
菜の花150g、ニンニク1かけ、ケッパー小さじ2、オリーブ油大さじ3、8枚切り食パン1枚、塩小さじ4分の1
1.菜の花は沸騰した塩水で1分ほどゆでる。そのまま冷まして水けを切る。
2.材料すべてを 材料すべてをフードプロセッサーにかけてなめらかにする。