ホノルルの下町ドライブイン「Meg’s」。
Hawaii Web TVのシノグさんに案内された。工場や倉庫が並ぶカリヒ地区にあるドライブイン「メグズ」だった。
年季の入ったコカ・コーラの看板、天井で健気に回る年代物のファン…。
午前10時過ぎに訪ねた。
中途半端な時間でも客がいて、チキンカツやビーフシチューをがっつり食べていた。
朝5:30から近くで働く人たちがやってくる。頼れる大衆食堂だった。
メグムおじさんの店。
日本からやってきたメグムさんが50年ほど前、開いた。
甥っ子のアキラさんが後を継いだ。
いったん店を離れて和食店で板前をしていたが呼び戻され、立て直したという。
家族で助け合い、切り盛りする。どこか懐かしい。
ロコモコが完ぺき。7.15ドル。
まずはハワイ名物「ハンバーグ目玉焼きどんぶり」を試したい。
目玉焼きは2枚、両目からとろーり黄身が流れ出す。ちょうどいいころあいだな。
マカロニサラダが添えられているのも、うれしい。ほとんど野菜は入っていなくたって箸休めにいるよね、日本人的には。
「これぞハンバーグ」だった。
牛肉100%だが脂身を2割混ぜ、ジューシーに。砕いたクラッカー粉がつなぎで、ナツメグは入れない。ふっくらしたハンバーグ、いいな。
たっぷりかかったグレービーソースがまた、ご飯にあうこと。肉汁を5時間ほど煮詰めて作るのだとか。
ビーフシチューが食べたくて。
ロコモコを食べ終わったころアキラさんが言った。「うちのビーフシチュー、コンテストで賞をとったこともあるんですよ」。
えーん、さすがに胃袋にすきまがない。2日連続で通った。
暑い島でシチューが定番なんて。意外なようだがそうではなかった。シノグさんも「ハワイの人、シチュー好きですよ」と言った。
ビーフシチュー、8オンス(225g)3.5ドル。
うわぁ、おいしい。牛肉はほろり、ジャガイモとニンジンは煮込みすぎず、ゴロゴロしている。しかもお安い。
飾り気のない家庭の味、でも家庭では出せない味かも。シノグさんも夕食用に持ち帰りしていた。
ハワイのラーメン・サイミン、3.75ドル。
キッチュなピンク色のナルト4枚が浮かぶ。
スープに箸をくぐらせる。あ、ちゃんとチャーシューが入っていた。やさしい味わいだな。
シノグさんが言った。「あ、おいしい。こんなに具の入っているサイミン、初めてです!」
ケイががっついて完食してしまった。
「ホットケーキ」と書いてある「パンケーキ」。
ふっくらして、ホットケーキとしては薄めだから、やっぱりパンケーキかな。
アキラさんにレシピを訊く。「いいですよ」。快く教えてくれた。
ミックス粉を使う有名店だってあるけれど、メグズでは50年前から変わらぬレシピで作っている。
「卵10個に、水16カップ、小麦粉3パウンド…」。
シノグさんが尋ねた。「カップってアメリカサイズのですか?」。
アメリカの1カップだと240㏄になる。ちょっと多すぎるような。
「これですよ」。キッチンに案内された。
アキラさんが手にしていたのは日本の1合カップだった。なら180㏄だな。
アメリカ式と日本式が入りまじる。ハワイらしい。
こんなところにも「味」を感じて、またいとおしい。
☆メグズのパンケーキ(直径12センチ5枚)
卵1個、サラダ油30g、水100g、薄力粉100g、砂糖30g、ベーキングパウダー小さじ2分の1、塩小さじ2分の1、バターとメープルシロップ お好みの量
1. 卵を泡立て器で軽く泡立てる。サラダ油、水を混ぜる。
2. 卵液に薄力粉、砂糖、ベーキングパウダー、塩をふるい入れ、よく混ぜる。
3. 熱したフライパンにバターかサラダ油(分量外)を塗り、生地を大さじ3ほど流す。表面が乾いたらひっくり返す。もう片面もこんがり焼く。
4. バター、メープルシロップをかけてどうぞ。
☆メープルシュガーで作ったら
砂糖を同量のメープルシュガーで置き換えます。体にやさしい甘さです。もちろん焼けてから熱いうちにふっていただいても。