「これ、ハーブティにでもしてみましょうよ!」
大原大幸さんはご自身の畑で育てたハーブを両手に抱えてそう言いました。
ここは沖縄本島の南部。海に程近いこじんまりとした盆地に畑はあります。大原さんご夫妻は、なんとスパイス&ハーブ専門のニッチな農家。
僕たちは数年前に友人を介して知り合いました。
畑の脇にはアジトとも言える鉄道貨物のコンテナがひとつ。
僕がお邪魔するたび料理をさせていただく秘密基地でもあります。
本日もここで無数のフレッシュスパイス料理を楽しみ、その後メープルシュガーの話題へと流れ込みました。
「せっかく畑にいるんだから、大盛りでいれちゃいます」
大幸さんは大きな手でハーブを鷲づかみにしてヤカンの中へどさっ。この豪快かつシンプルなところがいいんですよね〜。鉄のコンテナの中は一気にパワフルなハーブの香りで一杯となります。
出来上がったティを口にすると、ふぅ〜むさすがの摘み立て。顔全体に香りの粒がぴちぴちとぶつかってくるようです。
そこにメープルシュガーをいれて混ぜ混ぜ。するとやっぱり何倍にも膨れ上がるんです。そのままの甘味が1とすると、3とか5の感覚。
ハーブが凄いのかメープルが凄いのか、とにかく風味のビッグバーンが起こってる。大幸さんが目を丸くしていいます。「わ〜ぉ!茶葉なんて入れてないのに紅茶のようなコクだぁ」
確かにじゅうぶん濃くて、それでいて去り際がいい。
「あぁっあたしこれスキだよ!まったりとしているけど爽やかだもん」と、生れたばかりの赤ちゃんを揺らしながら奥さんの多美子さんが続きます。僕は冷たいコンテナに腰掛けながらも、美しすぎる香りと穏やかな甘味に顔の筋肉が緩みまくり。
丘の上からゆっくりとおりてくる風に、畑になる無数のハーブもふわふわと身を委ねています。快適が快適を誘うスパイラル。沖縄と大原さんたちのおかげで至福な時を満喫することができました。
☆With メープルシュガーレシピ6
『沖縄のおかげシリーズ。その1.摘み立てハーブティ』
レモングラス 数本
スペアミント わんさか
ローズマリー ちょっと
*沖縄特有のハーブもあるが、沖縄で育ったということに意義があるので、
今回はこだわることなくフィーリングでチョイ〜ッス
水 1.5Lくらい
メープルシュガー 適量
1.ハーブを摘んでくるかどこかで新鮮なものを買ってくる。
2.軽く水で洗ってからヤカンや鍋の中に入れる。
3.水を加えて沸かす。
4.沸いたら火を切って1分ほど置く。
5.コップに注ぎメープルシュガーを小さじ1ほど入れたら出来上がり。