沖縄のおかげシリーズ その3★

こういった原型ままおものをホールという。脂身と赤身がミルフィーユのようスパイスと共に煮る角煮
ターゲットは脂身です
マサラフテー

「豚肉の赤身なら食べるけど、豚足や耳などはちょっと・・・・・」って人、けっこう多いようですね。
臭みがあって脂がまとわりつく感じがウケない理由のようです。

そうおっしゃる方はぜひ沖縄料理を試してみてください。
ミミガー(耳の軟骨)やチラガー(頭皮)、中身(ホルモン)まで、美味しい豚肉料理のグランドスラムです。
そんなのどれも食べたくな〜いという人は、ぜひラフテーを。これバラ肉を甘辛く煮たもの、いわゆる角煮です。

泡盛(沖縄の焼酎)で炊くので臭味も溶け落ちて、舌にまとわりつくようなねっとり感はありません。コラーゲンのゼリーとでも言いたくなる食感です。また、糖分をたっぷりと使うために、雑な味が取れて甘くて香ばしい匂いがします。

酒の肴としてはもちろんですが、このタレがまたいいのです。ご飯に少し落としながら食べると乱舞の境地にいたります。

ラフテーに使うバラ肉は沖縄では三枚肉と呼ばれています。脂身と赤身がミルフィーユのようにいくつも重なっているからです。

そこで僕からちょいとアイデアを効かせた一品をご紹介!
名をマサラフテーと呼んでください。
いくつかのスパイスを混合することをインドの言葉でマサラといいます。でもカレーではありません。
そう、スパイスと共に煮る角煮です。だったら中華のトンポウロウか。いえいえ本当にインドアレンジなんです。

使用するのはホールスパイスを5種類。一応、入手しやすいであろうと思われるものを選んでみました。たぶん、ちょっと気の利いたスーパーなら在庫の期待大。なければ百貨店へ行けばまず間違いなかろうかと。

ラインナップは以下の通りです。
月桂樹の葉(ローリエ)、グリーンカルダモン(長さ2センチほどの緑色の実)、クミンシード(そのままでは埃臭いが加熱すると香ばしくなる)、クローブ(いかにも漢方薬的)、シナモン(実は甘くない)

今回のターゲットは脂身です。臭味をなくすと同時に、意外な香りがじんわりとしてくる、というのがポイント。

そして甘味はもちろんメープルです。黒糖に負けないくらい味の幅が広がるのにヘヴィではない点が魅力です。

角煮というと時間がかかるので面倒、と思われそうですが、あえてひとつひとつ手作りすることをお勧めします。手間と時間は目には見えない最大の隠し味。調味料や道具では出し得ない、深い味わいと思いが生れると思います。

☆With メープルシュガーレシピ8
『沖縄のおかげシリーズ。その3.マサラフテー』
(推定調理時間約2時間)

材料
豚のばら肉(ブロック)   700g
白ネギ          1/3本
しょうが         2センチ
水たっぷり        オイル15cc
スパイス
ローリエ         1枚
グリーンカルダモン    4ヶ
クミンシード       小さじ1/4
クローブ         3ヶ
シナモン         1片

たれ
泡盛           200cc
醤油           70cc
メープルシュガー      50g
みりん          30cc
ダシの素適量(かつお節系) 水800〜1000cc

1.グリーンカルダモンを割る。
2.大きな鍋にオイルとスパイスを入れて火をつける。
3.クミンシードから小さな泡が出てきたら、白ネギを入れて焦げないように注意する
4.豚肉の皮を下にして鍋に入れて少し炒める。その後全体を炒めて焼き色をつける。
5.少しずつ水を注ぎ、ショウガを加える。最終的に豚肉が全部漬かるまでたっぷりのお湯で煮る。
6.脂やアクは掬い取る。60分ほど煮たら火を切り、常温のまま冷ます。スープは使わない
7.肉を取り出しておく。スパイスは取り出しやすいものだけ。
8.小さな鍋に、泡盛、メープルシュガー、いくつかの取り出したスパイス、みりんを入れて火をつける。
9.煮立ったら次にダシの素、豚肉、水を加える。
10.10分ほどしたら、しょうゆを半分だけ加える。
11.ときどき煮汁を豚肉にかけながら、ゆっくりと煮ていく。
12.10分後、残りのしょうゆを加える。
13.肉が少し艶をおび柔らかくなったらできあがり。