インド式メープルチキン〜SOL後編★

メープル漬けタンドールの内側チキンティッカ
骨付き肉も焼きあがりました
色・つやがスバラシー

ナンに続いて「SOL」第2弾!
タンドールといえばやっぱりチキンと思っている方が多いんじゃないでしょうか。

といってもこれは糖分を使うものではないので、
メープルが入るとどうなることやらわかりません。
店主吉田さんとあれこれと協議しながら進行していきます。

「スパイスのレシピは普段通りか、それともアレンジするのか」
「どのタイミングでメープルを加えるべきか」
「どれだけの時間、漬け込むべきか」

あ、その前にタンドリーチキンの紹介をしておきましょう。これはインドの高級料理の一つで、タンドールで焼いた骨付きチキンのことです。

ちなみに骨なしバージョンもあってそれはチキンティッカといいます。(はい、おしまい!)

さて、我々のトライに戻りますが、結局最初はたっぷりのメープルで漬け込むことにしました。もし違いが出るのならそれが最もわかりやすいだろうから。

そして肉は骨付きもも肉、つまりレッグと、骨なしのもも肉の両方を使ってみることに。皮をむき、適当に切れ込みを入れて漬け込みます。30分後、ニンニクとしょうがのおろし、塩、レモンを加えて約1時間。時間と共に艶やかな液体が滲み出してきます。そこへスパイスとヨーグルトを加えてさらに30分ほど漬け込みます。

調理をはじめて約2時間。そろそろタンドールの準備OK!? 吉田さんが、鉄の蓋を開けて中の火を強めます。そしてまずは骨付きのタンドールチキンを串に打ち、じっくりと焼き上げます。

糖分が加わっていますから火加減が難しいです。というわけで、いったん下焼きをして取り出します。そして今度はティッカを串に打って焼きます。これはすぐに焼けますので、取り出した後、再び骨付きの串をタンドールの中へ入れます。チキンティッカをいざ試食!

と、これがとてつもなく美味しいではありませんか! 甘みが加わることで口当たりが優しくなっています。そしてスーッと甘みが消えた後に、次は酸味とスパイスの辛味が追いかけてくる。

そしていよいよ骨付き肉も焼きあがりました。こちらはじっくりと焼いているせいか少し照りが強い感じがします。また肉が柔らかいというか、繊維がプリッと外れる感じもします。ほどよい塩気と酸味と甘味で、どことなく中華っぽい!?

なんともゴージャスなタンドリーチキンとなりました。

後日、我々はそれぞれ残りの肉を持ち帰り、2〜3日漬け込んだものを再テスト。僕は家の魚用オーブンで焼きました。これが当日よりもさらに甘みが馴染んでおり汁気も増していて実においしい。肉はカニのかまぼこみたいにぷりぷりとしていました。

吉田さんの結果は次の通りです。
「僕も丸2日間漬け込んだものをタンドールで焼いてみたんですけど、甘みがじっくりと馴染んでいて、肉がふわふわと柔らかになりました。うちの息子があんなに必死になって食べるのを初めて見ましたよ」

インド式メープルチキン、かなりいいです!

おわり

☆With メープルシュガーレシピ15
『ゴージャスタンドリーチキン』

材料
骨付きもも肉(1本) 350g
もも肉(1枚)    400g
(A)
ターメリック     小さじ1
パプリカ       小さじ2
コリアンダー     小さじ1
クミンパウダー    小さじ1
レッドペパー     小さじ1/3*好みの量

(B)
メープルシュガー 大さじ4
塩        小さじ1強
ヨーグルト    200g
ショウガ     小さじ1.5
ニンニク     小さじ1.5
レモン      適量
とかしバター   適量

1.(B)のすべてをボウルに入れてよくかき混ぜておく。
2.鶏肉の皮を剥きボウルに入れる。骨のないほうは4〜6分割しておく。
3.(2)に(A)のスパイスをすべて入れてよく混ぜる。
4.(2)に(B)を加えてよく混ぜる。この状態で1時間ほど寝かせる。
5.鶏肉に串を打ち熱したタンドールに入れてじっくりと焼く。
6.焦がさないように注意しながら焼き、一度取り出す。
7.肉が冷めたらバターを塗りつけ再びタンドールに入れて焼き上げる。
8.たまらなくいい香りがしてきたら出来上がり。
*家庭でやる場合は、魚用オーブンで代用できます。