想像以上に深いチャイ★

チャイにはCTC製法のアッサムティを使用する。(Crush=潰す、Tear=破る、Curl=丸くする)。

チャイにはCTC製法のアッサムティを使用する。(Crush=潰す、Tear=破る、Curl=丸くする)。

甘くすると倍おいしい。飲む前よりも途中でメープルを入れると味にふくらみがでる。なぜだろう?

甘くすると倍おいしい。飲む前よりも途中でメープルを入れると味にふくらみがでる。なぜだろう?

最初にスパイスを入れてから沸かすのがポイント。スパイスは好みでOK!

最初にスパイスを入れてから沸かすのがポイント。スパイスは好みでOK!


像以上に深いチャイ

チャイとはインドのミルクティのこと。
いまや家庭用商品やカフェのメニューになるくらいポピュラーな飲物です。

しかし今回のお話は単なる紹介じゃございません。
チャイの存在意義についてです。(わ〜お、なんだか大層)

我々日本人は当然チャイのことをお茶として観ていますよね。喉が渇いたとき、一休みしたいとき、食後の締めくくり、といった感覚。
ええ、もちろんインド人たちも同じ感覚だと思います。

ただ、興味深いのはここから先です。
あいつらの、あっ失礼、彼らの場合は他にも意味がありまして、ひとつは体調を整えるためにも飲んでいるということです。いや、かなりその期待が大きい気がするなぁ。

喉が痛くて咳が出るな、と思えばシナモンを入れて。
鼻詰まり、頭痛もするぞ、というときはたっぷりのおろしショウガを入れて。

虫歯があって痛むとき、また口臭が気になるときはクローブを2つほど。いまひとつ気分がさえないとか口が渇くときなどはグリーンカルダモンを。

脂っぽい食事の後には、胡椒やアニスなどをブレンドして飲むこともあります。

ただし、グリーンカルダモンやアニスなどは高価なので、一般庶民が普段から飲んでいるわけではないようですが。
これらのように薬効としてチャイ+スパイスが存在している背景に、アーユルヴェーダというインドの伝統医療の存在があるようです。

僕のインドブレーンの一人に日本でスパイス問屋を営むシャームという商魂たくましい、いやいや、根性のたくましい男性がいまして、彼はアーユルヴェーダの先生だというのです。店のインド人スタッフたちに聞いても「イエス、ヒィイズ・ドクトル・オブ・アアヨルヴェェェダ」と口を揃えます。

お互いの中途半端な言語力(僕の英語VS彼の日本語)によって正確なことはわかりませんが、なにやらインドにはアーユルヴェーダの大学というものが存在していて、ちゃんと博士号も取得しているのだとか。

実際に僕はしばしばシャーム氏から処方を教えてもらっています。そして試してみては、納得のできる結果がでているのも確かです。(ぜんぶ自己の潜在能力だったりして!)

嘘か真かわかりませんが、いずれにせよ、彼らはチャイとスパイスを薬として観ているわけです。

そういえば、僕が作っているスパイス専門誌「スパイスジャーナル」にでてくるヨーガの先生の“みっちゃん”もかなり精通しています。

僕がインドへ行く際も「お腹が痛くなったらこれを飲めば大丈夫」と蜜と胡椒を混ぜたような薬をくれました。そのおかげかどうかわかりませんが、2週間の間、一度もお腹は壊れていません。

また、疲れ目でしんどいときも、スパイスのようなものが入った水で洗浄するのを教えてくれて、本当にすっきりと治ってしまったことがあります。

彼女もまた、インド国が認めるアーユルヴェーダの大先生に師事したことがあり、これが偶然にも僕がテレビ番組の構成をやっている時代に取材したことのある先生で、おまけにその先生は以前僕が入っていた事務所から100mほど先に住んでいらしたという、なにがどうなってるのかわからないくらいつながっている方々なのです。う〜む、¥は弱くなっても、縁はどんどん頑丈になっていくみたい。

で、今回はもう一つ深い話をプラス。それは砂糖です! 細かくは粗糖といえばいいのでしょうか。(細かいのか粗いのかどっちやねん!?) サトウキビを煮詰めたそのまんまの塊をジャグリーといいます。

詳しいことは分かりませんがアーユルヴェーダでもよく使われるらしいのです。
これはヒンズー教徒の人にしてみれば神への捧げものであり、最強の滋養強壮剤であり、母乳分泌の促進剤ともいわれ、これほど生命力に溢れていてハッピーなものはないという宝物なのであります。

料理にも多用されているのですが、加熱するとカスタードプリンの底の蜜みたいな、う〜んと・・・・・キャラメルか!そう、実にメープル的な風味がするんですよ。

ある日、僕は彼らにメープル入りのチャイを飲ませてやりました。
するとみんな目を真ん丸くして喜ぶのなんの。

「なんておいしいんだ!もっとくれ」となって、もう1杯2杯と合計4〜5杯を嬉しそうに入れちゃいました。インド人にとってチャイはデザートの感覚でもあるんですね。
今回は極上のメープルなのでカンペキなる糖分補給タ〜イム!

飲んでは香りを嗅ぎ、
「う〜ん」と唸っては瞼を閉じて上を見る。
「ところで、これ、いくら?」
は? 1000円くらいじゃないの〜。
「おぉっと、エキスペンシブね」
ノノノ、イン・ジャパンではスペシャルオネスティプライスだ。買え!
「おおぅ、グッドアイデアあるね」

そういって、数日後、なぜか僕のレシピが、彼らのブランドのチャイパックに書かれていました。
あれ、なんだこりゃ???
これでメープルが売れるのか?いやいや、ちょっと違うか。
僕が儲かるのか?いや、そんな話は聞いてない。じゃあなんなんだ?!!!
相変わらず彼らはミラクルです。

チャイとメープルの不思議なお話でした。

☆With メープルシュガーレシピ23
『チャイマサラ』(約2人分)

材料

水   300cc
ミルク 200〜250cc

好きなスパイス
例)
シナモンホール・・・・5センチくらい
グリーンカルダモン・・3〜4個
クローブ・・・・・・・2〜4個
おろしショウガ・・・・1〜2tsp
*1種類でも複数種類でも可。ただしすべて入れる場合は全体の量を少なくしてください。

アッサムティ・・・・・3tsp
メープルシュガー・・・できるだけ多め

1.きれいな鍋に水と好みのスパイスを入れる。

2.火をつけて沸いたら弱火にして1〜2分煮る。(ここポイント)

3.茶葉、メープルシュガーを入れてさらに煮る。

4.濃い赤ワインのようになったらミルクを入れて強火にする。

5.吹き零れないように注意。沸騰したら弱火で1分ほど煮る。

6.茶漉しでカップに注ぎ、煮出したスパイスをつまんで入れたら出来上がり。

カワムラレシピ入りのCTCチャイカワムラレシピ入りのCTCチャイ。スパイスショップ『サルタージ』にて。
*注)カワムラの儲けにはなりません!

http://www.sartajfoodsjapan.com/index.php