とうとうNYからモントリオールへ。居候させてもらったKさん、東京から一緒だったナオコさんとお別れするのがさみしくて、さみしくて。
朝食にKさんお気に入りのユダヤ菓子バブカをいただく。「ユダヤ教のお祭り・過越(passover)のころにいただくんですよ」。渦巻きに巻かれたしっとりしっかりシナモン味。バター不使用とは思えない。私のニューヨークの思い出の味、再現したいな、日本でも。
Kさん、ナオコさんと抱き合ってお別れ。ありがとう。言いながら涙。
チェックインカウンターで荷物預け代として25ドル(2100円)支払う。やっぱり有料なのね…。ターミナルBはレストランも店も充実していた。
「ハンバーガー食べたい」とNY滞在中、なぜか言い出せず。空港で見つけたのがチェーン店「ファイブガイズ」。ワシントンDCが発祥の地とか。よし、入ってみようっと。
Sサイズもあったけれどアメリカ標準を体験したくて、ふつうのハンバーガー5.59ドル(480円)に。パテ2枚!トッピングはお好みをのせる。マヨネーズ、レタス、ピクルス…。もちろん「棚の右端から左端まで全部いただくわ〜」。
高級店で言ってみたいセリフをバーガー店で。タダなので惜しみなく言える。
レギュラーサイズのフレンチフライ、2.89ドル(250円)。Lサイズカップにどっさり盛った上にドサザバーッ、袋いっぱいに。ひえー、お許しくださいお代官様。なぜかひれ伏す。
ホクホクでおいしいけれど完食ならず。負けた…。
ずっしりバーガー腹を抱えて搭乗口へ。係員に搭乗券とパスポートを出しだす。「あなたのじゃない」。係員に行く手を阻まれた。えーっ。搭乗券をよく見ると確かにラテン系と思われる「MR.○○」とあった。うそーっ。こんにゃろめ、私。ちゃんと確認すべきだった。
慌てて航空会社カウンターに引き帰す。先ほど応対してくれた女性は平謝り。近ごろ空港運がないのだった。
冷や汗を垂らしたまま空の旅1時間半、モントリオール上空へ。
モントリオールは仏語圏。ヘタな英語も通じるけれど、どうせなら。なけなしの仏語づかいになる。着いて入国審査へ。ガラガラでよかった…と思いきや、質問の嵐に見舞われた。
「目的は?」「何日間?」「どこへ泊まる?」「職業は?」…。会話集の文例すべてを復習させてくれるのね。おまけに子連れは「父親の許可は得ているか」。もちろん、と答えると「書類は?」そんなものないよー。
あやしまれたか別室行きに。わー、初めてかも。書類の山を見せているヒスパニック系に混じり、しどろもどろ。ザ・不審者になる。帰りの日本行きチケットのコピーを見せて全旅程を説明、何とか入国できた。カナダへの道は険しかった。「何あせっとんの」と余裕?迎えの車に乗る丁稚ケイ。
モントリオール・トルドー国際空港から車で45分、メープルの森へ。樹液を採るためのバケツがお出迎え。寒いなー。先週は24℃あったというが、今週は5℃だとか。なんじゃそりゃー。寒いほうが樹液採取にはいいのだけれど。
ニューヨークはあたたかかったな、人も空気も。カナダ入国に手間取ったおかげで恋しくなる。
標高150メートルの森の一本道を進む。メープル小屋「シュクルリー・ド・ラ・モンターニュ」に近づくと、大型バスや車が列をなしていた。ひゃー、観光地なのね。まさにピークの週末。2000人〜4000人も訪れるとか。宿泊する小屋はレストランや店から離れた静かな森の中だった。ホッ。
オーナーの息子ステファンが暖炉に火を入れてくれた。ちょっと休もう。スーツケースを開けて…と。あれ?動かない。もしもーし。2つのカギのうち1つは外れたが、もう一つが番号を合わせてもビクともしない。ウソー。おむつ、もうないよ。
あせると余計うまくいかない。落ち着け私。カチカチカチ…。気分は銀行強盗、夜通し3ケタの番号を1000通り、3回試したが不発に終わる。意固地なのね君。
明け方になってあきらめた。もういいや、カギを壊そう。エイッ、エイッ。ハンガーの先っちょで悪戦苦闘、30分かかってこじ開けた。気分は空き巣…何でやねん。別人搭乗券、入国不審者、開かずのスーツケースに撃沈。