大人気のメープル小屋「シュクルリー・ド・ラ・モンターニュ(山の砂糖小屋)」を出る。車で10分、「オベルジュ・デ・ガラン」へ。青空と森の静けさに包まれてホッ。
部屋に入ってびっくり、天蓋つきのベッドが。わー見てみて。丁稚ケイに話しかけてみるがシラーッ。わて、そんなことより「シュクルリー・ド・ラ・モンターニュ」のステファンが贈ってくれたオオカミのぬいぐるみのほうがええねん…。
ベランダからカエデの森を眺める。カーペットが敷いてあるのもいい。丁稚ケイのエッチラ・ほふく&私のオッチラ・ヨガにちょうどいい。彼と2人で場所の奪い合い。
よく見るとこの部屋は「ハネムーンの間」だった。ププーッ。品のない親子には似合わない…。
「オベルジュ」とは料理自慢の宿のこと。まずは自家製パンのおなーりー。温かくて添えられたバターがおいしくて、いきなり胃袋が暴走。オリーブ入り、トマト入り、全粒粉のパンをパクパク。
まずは前菜その1。カエデのチップでいぶされた自家製スモークサーモンだった。大きな切り身がうれしい。
前菜その2がフォアグラとカモ。甘いメープルソースが無理なく寄り添って。
メープルとシードルのソース添え。甘酸っぱくてケベック版酢豚かも。
甘さの少ない硬めのサブレに洋ナシのコンポートをサンドイッチ。
フォークを立てる。うんしょ、硬くてサブレがぴゅーん、飛んでいきそう。バラバラにして「解体食べ」。作り手の意図と努力を無にするのだった。
終わっちゃった。あーあ。先付、前菜、メーン、デザート、コーヒーで65カナダドル(5300円)。シロップの瓶どかん、もいいけれど、上品なメープルづかいが無理なく決まっていた。
モントリオール空港へ向かう朝、カエデの木々は雪化粧だった。ダイニングに行くと昨晩と同じ、窓辺の席を用意してくれていた。エディー・バウアーの子ども椅子あり。
選べる朝食は15カナダドル(1200円)。やはり最後までメープルでしょう。仏語のメニューに「クレープ」とあったので頼む。出てきたのは薄めのパンケーキだった。前の宿でもそうだったな。ケベックではクレープ=薄いパンケーキ、なのだった。
日本でシロップを瓶ごと出してくれるなんてそうそうない。せいぜい大さじ1杯ほど。パンケーキのメープル湾ダイブ、思い切り楽しもう。もうこれ以上、吸い込まないんじゃないかと思うほどかけてみた。カリカリベーコンのシロップがけも、おいしい。
ニューヨークのYMCAで、メープル担当ヘザーが「ポリッジにシロップをかけるのが大好き」と言っていたな。さじに少しだけ、琥珀色をたらしてケイの口へ。