シアトル編 [5]

ローリーの思い出クッキー。ローリーの思い出クッキー。

大阪のライター・ハルミさんの元同級生、ローリー宅を訪ねた。

センスのいいキッチンはそのまま雑誌に出てきそう。100年前の家というのがまたニクイ。

 

ローリーと2歳の双子たち。ローリーと2歳の双子たち。

夫ジェフと分担して子育てし、2つの仕事をこなし、週末には家を手入れする。なんてパワフル! でも本当に自然体で、輝いている。「いまの子どもたちとのprecious timeを楽しむのよ」。そう、いまがプレシャス・タイム、貴重な時。分かるなぁ。

 

言葉を超えて、通じ合う。


言語がなくても仲良くなれるんだな。私がローリーを取材している間、私の広報担当・丁稚ケイも営業中。「ケイ」。2歳児シルヴィはそう呼びかけてくれた。ぐーるぐる。

シアトルの絶妙クロワッサン。シアトルの絶妙クロワッサン。

シアトルの友エツヤさんのツテで、ベーカリーカフェ「フレッシュ・フラワーズ(FRESH FLOURS)」の厨房を訪ねた。エツコさんが案内してくれた。デニッシュとコーヒーがうなるおいしさ。

日本にもフランスにもないシアトル流の店、ぜひ東京・代々木上原あたりに出店を。勧めたら笑われた。

FRESH FLOURS

 

シアトルのベトナム・豚まん、岡山オマージュ。シアトルのベトナム・豚まん、岡山オマージュ。

「サイゴン・デリ」で絶品ベトナムサンド・バインミーとともに、豚まんをシアトルの友エツヤさんに買ってもらった。

パッカーン。2つに割ると中からゆで卵が。おお、私の偏愛する岡山の広東料理「山珍」豚まんにも似てなつかしい。広東、ベトナム、岡山、シアトル…。豚まん一つに文化の融合を知る。

シアトルスーパー行脚、結局7軒。シアトルスーパー行脚、結局7軒。

志あるスーパーほど量り売りが充実。

セントラルコープでは、せっけん、洗剤バーも必要なだけ買える。いいな。日本でも広がってほしい。

 

どこでもグルテンフリー。どこでもグルテンフリー。

飲食店やカフェ、スーパーで必ず見かける。スーパー「セントラル・マーケット」の製菓コーナーにも、ふつうのお菓子ミックスに並んで「グルテンフリー」のミックス粉もずらり。

グルテンを含む小麦などの替わりに、米粉やでんぷんでできた食品たち。アメリカで大流行の模様。
 
KOMBUCHAコーナー、本気度のバロメーター。KOMBUCHAコーナー、本気度のバロメーター。

エツヤさんがセントラルコープで言った。「ここ、超アーシィ(earthy)」。訳すのが難しいけれど、かなり自然志向が強くて、でも小難しくなくヒップな感じかな。「コンブチャ」コーナー、レジの人のいでたちで、スーパーのアーシィ度が計れるのだった。

コンブチャとは昆布入りお茶ではなく、紅茶キノコのこと。どれもすごい色。マンゴー・コンブチャ・サイダーに挑戦。ううむ飲めなくはないけれど。

シアトル旅立ちの朝も、トップポット・ドーナッツ。シアトル旅立ちの朝も、トップポット・ドーナッツ。

知ってから5日間、毎日通った。1日3個ずつ食べた。完全に中毒だわ。

 

別れのキス。別れのキス。

もうそろそろ家を出よう。スーパー戦利品がスーツケースに詰め切れず、エツヤさんのも借りて2つに増えた。丁稚ケイをわきに荷造りする。

ワンワンッ。エツヤさんの愛犬バディが飛び出してきた。怖いもの知らずのケイは、バディの顔に両手を伸ばしてじゃれあっている。2匹…じゃなかった1匹+1人はチュッチュッ。わぁキスしている。バディもケイも分かったんだね、きょうが別れの日だって。

空港で涙がこみ上げる。えーん、去りがたい。エツヤさんにお世話になり過ぎ、出会いがあり過ぎた。「ここはアメリカ、当たり前のこと」。エツヤさんはサラッと、なだめるかのように言った。「We’re connecting」。そう、私たちはつながっている。そう強く思う。何度も自分に言い聞かせ、次のシアトル行きを妄想するのだった。