サンフランシスコ&シリコンバレー編 [4]

ふぞろいの「黙らせ塩シュー」たち。ふぞろいの「黙らせ塩シュー」たち。

居候先のノリコさん夫妻が愛する「普段着おやつ」を紹介してもらった。サンフランシスコの南、デイリーシティにある韓国系スーパー「Kukje」で買うシュークリームだった。

「上品ではないけれど、おいしいんだな〜」とノリコさん。20個ほど入って5ドル(410円)。確かに大きさも不ぞろいだな。おまけにクリームは底から詰めずに堂々、てっぺんから入れているのね。「ええ、でも、それが何か問題でも?」とシューが問う。いえいえノープロブレム、まさに気取らないおやつだな。

すぐに箱を開ける。クリームにちょっと塩けが残るのがクセになりそう。

一番食べたのが丁稚ケイだった。車中で大泣きした際の「黙らせ塩シュー」と化した。パロアルトの自宅に戻るまでに箱から半分ほど消えていた…。

Kukje supermarket

老舗アイスクリーム屋のライチ味。老舗アイスクリーム屋のライチ味。

ミッチェルズは1953年創業の老舗アイスクリーム屋さん。通りかかると店の前で、「反抗期10年やってます」みたいな少年が、うれしそうに大きなコーンを手にしていた。いいな。

ノリコさん夫妻が好きなのはバナナ味とライチ味。持ち帰って味わった。どちらも真っ白で分かりづらいけれど、確かにバナナとライチの味がする。ライチのシャーベットはあってもアイスなんて珍しい。さっぱりまったり、急げ急げ。アイスクリームは、ふつうの食事の3倍速になってしまう。ただでさえ高速なのに…。

Mitchell’s Ice Cream

出発の朝、ヨーグルトの白帽子。出発の朝、ヨーグルトの白帽子。

20日間の旅もとうとう最後の朝を迎えた。2つに増えたスーツケースに乗っかってしまいこみながら、何とも言えない気分になる。さみしいなぁ。また来よう。本当に。

ノリコさん宅でも毎朝、ヨーグルトをいただいた。イチゴとマンゴーにのった白い帽子はギリシャヨーグルト。おしゃれー。ギリシャタイプのヨーグルトは日本では見かけない。たっぷりいただいておこう。

別添えハチミツ、とろーり。別添えハチミツ、とろーり。

ノリコさん夫妻が愛するのは「FAGE」ブランドのギリシャヨーグルトだった。「こんな1人用もあるんですよ」。ハチミツやジャムが別添えで、折り曲げて注ぐ。

ヨーグルト、牛乳、サワークリームなど乳製品は必ず脂肪0%、2%など各種あり。ダイエット大国というべきか。これはもちろん「ふつう」タイプ。

FAGE

男女7人、サンフランシスコのファーマーズ・マーケットへ。男女7人、サンフランシスコのファーマーズ・マーケットへ。

海に面したフェリービルディング時計台の下に土曜日午前10時半、男女7人で集まった。サンフランシスコ滞在中、出会って大好きになった人たちと、どうしてもまた会いたかった。

レストラン「Skool」を経営するヒロコさん、オークランド在住の芸術家キヨミさん、4年ぶりに再会したサンノゼ在住ヨーコさん、居候させてもらったパロアルトのノリコさん、タクジさん。キヨミさんとヒロコさんに丁稚ケイを抱っこしてもらう。やったー、解放感。

まずはコーヒーを。NYにも進出した「ブルーボトルコーヒー」は長蛇の列だった。でもおしゃべりしながらだとあっという間だわ。列の先っちょまで来たら男性が寄ってきた。ヒロコさんが笑ってノーと言っている。何だろう。「あなたの分も買ってあげるから列の先に入れて」だって。いいけど私たち、7人分なんですけれど…。

ドリップコーヒーは2.75ドル(230円)。大ぶりなワッフルを持っている人が目に付いた。どれどれ私も。3ドル(250円)。何せ7人、食べ切れない心配をせずに頼めるのがいいな。

格子型のワッフルはコーヒーフィルターに入れて出てきた。いいアイデア。あたたかいのがいいな。ほの甘くて、コーヒーに寄り添う。

Blue Bottle Coffee

カリフォルニア最高のオリーブ油。カリフォルニア最高のオリーブ油。

地元産にこだわる炎の食いしん防・ヒロコさんの見立てはハズレがない。サンフランシスコ近郊、McEVOYのオリーブ油は「カリフォルニア最高」なのだとか。「ぜひ試して」。そっと小瓶をプレゼントしてくれた。オバチャン全開で「いいです」「買います」と押し問答したが根負けした。もてなし魂120%の人なんだから、もう。ありがとう。

この店のレシピカードももらった。「オリーブ油とレモンのクッキー」。何だかおいしそう。試してみよう。

McEvoy Ranch

ちくわドーナッツも「柱ごと小商い組」。ちくわドーナッツも「柱ごと小商い組」。

フェリービルディング内を練り歩く。何度も来ているはずのキヨミさんが言った。「土曜日はこんなに、店が多いんだー」。そう、ファーマーズ・マーケットが開かれる土曜日だけのお楽しみは「柱ごと小商い組」かもしれない。

店の間にある壁沿いスペースに、台1つを広げた人たちがいる。スコーン、葉野菜ケールのチップス、串刺しカップケーキ…。壁からスタートして人気が出れば、店舗を構えていくんだろうな。

イタリア菓子を売るお母さんがいた。「おいしいですよ」とヒロコさん。どれどれ。筒状の生地にクリームが詰まったカノーリは1本2.5ドル(205円)。本国のそれよりずいぶんポッチャリしているような。ちくわドーナッツと呼びたい。

ビーガン・ドーナッツもお試しあれ。ビーガン・ドーナッツもお試しあれ。

ビーガンは肉・魚に加えて卵・乳製品もとらない菜食主義者のこと。レストランやスーパー…どこでも目についた。フェリービルディングの「小商い組」でも愛らしいドーナッツ屋さんがビーガンをうたっていた。ちなみにナチュラルとは程遠い砂糖衣はビーガン的にはオッケーなんだろうか…。

抹茶味をヨーコさんが試す。一口ぱくり。もそもそした食感はむしろ、ドーナッツらしいかも。抹茶というより緑茶の香り…でも頑張ってる!

ファーマーズ・マーケット後はブランチを。ファーマーズ・マーケット後はブランチを。

ヒロコさんのレストラン「Skool」へ。朝7時にお邪魔してから3日ぶりに再訪した。テラス席を用意してくれていた。サンフランシスコの青空にオレンジのパラソルが映える。改めて見回す。インテリアもスタッフも、お客もうんとかっこよくておしゃれだな。隣は何をする人ぞ。IT長者だろうか、デザイナーだろうか。きょろきょろ観察する品のない私のわきでバシバシ、テーブルにケリを入れる丁稚ケイ…品のない親子、浮きまくっていたかも。

「いえいえ、うち、ファミリーレストランですから」。ヒロコさんはリラックスさせるように言ってくれた。確かに子ども椅子もあってありがたい。

Skool

サンフランシスコ再訪を誓うフレンチトースト。サンフランシスコ再訪を誓うフレンチトースト。

ルーズリーフに書かれたメニューとにらめっこ。お魚料理の店だからお魚、と思いつつ目移りする。迷ったら一番最初のメニューを頼む、との我が鉄則に従おう。魚はまた来たときに。

ヒロコさん自慢のフレンチトーストにした。13.50ドル(1100円)。ブリオッシュ生地がふわふわで、ベリー入りマスカルポーネ・チーズとメープルシロップが甘酸っぱくていいコンビだな。

ケイにはベジ・スープを頼んだ。豆乳とにんじん入りで、やさしいお味。バゲットに浸してほとんど1人で飲み干していた。コンニャロ、私にもくれー。

替え玉したいムール貝。替え玉したいムール貝。

ムール貝を頼んだヒロコさんが、スタッフに何やら注文している。ヨーコさんがめざとく言った。「何て言ったんですか?」ブルーチーズを多めに入れるよう、頼んだのだとか。いいな。

ヒロコさんはやさしかった。「ぜひ食べてください」。おすそわけしてもらう。地元産ブルーチーズ入りのスープがたまらない。パスタを入れてもおいしそう。ヨーコさんが言った。「替え玉したい!」本当に。

さよならだけど、またね、のキス。さよならだけど、またね、のキス。

もうそろそろ行かなくちゃ。「Skool」を出てサンフランシスコ国際空港へ向かおう。席を立つ。キヨミさんが丁稚ケイにチュッ、チュッ。別れを惜しんでくれた。ええ、もちろんまた来ます。だって私たちは出会っちゃったのだから。「ズキューンと胸を射抜かれる出会いだった」。ヒロコさんはそう言ってくれた。本当に。

大好きな友とカリフォルニアの抜けるような青空の下、幸せな1日、心よりありがとう。ノリコさん夫妻が空港まで送ってくれた。ちょっと涙しそうになったけれど、よく晴れた空に似合わない。また来ます!大声で叫んで手を振った。

20日間の旅行中、ずっと夢みたいな日々だった。愛と力をうんと込め、魂の底から思う。出会うって、生きるって、つながっているって素晴らしい。we’re connecting. シアトルのエツヤさんに教わった魔法の言葉を口にしながら、次に会う日を思い描いている。