パリ編[9]気鋭のビストロ「ル・コルニッション」でデザートを習う

6月3日。ピエールエルメのクロワッサンたち6月3日午前11時、ビストロ「ル・コルニッション」でデザートを習う6月3日正午、ブリオッシュにマラデボワをたっぷりのせて6月3日正午、出来上がったヨーグルトのデザート6月3日午後3時、ジャック・ジュナンのミルフォイユ6月3日午後3時、ジャック・ジュナンのパリブレスト6月3日午後3時、ジャック・ジュナンのタルト・オ・シトロン6月3日午後3時、ジャック・ジュナンのサントノーレ6月3日午後3時、ジャック・ジュナンのエクレア6月3日午後3時、おまけのショコラは1人3個

1ユーロ≒97円

午前10時、曇り空。ピエール・エルメのクロワッサンたち。

日曜の朝、涼しいな。「おやつデモ」をした昨日だったらよかったのに。おてんとさまは気まぐれだ。

頼れるアシスタントのミキちゃん、リサさん母娘は明日朝、日本へ発つ。あちこちで大人買い連発、イケイケどんどんなのだった。日曜も開いている15区の菓子店「ピエール・エルメ」へも買い納めに行った。

クロワッサン1.5ユーロは、上質だけれど高いかも。

バラとキイチゴのジャムが入ったクロワッサン・イスパハン1.8ユーロは砂糖衣をはがして食べたい。

ジャンドゥージャ(ヘーゼルナッツ入りチョコ)のパン・オ・ショコラは1.8ユーロ、クイニ・アマン2.7ユーロ。どれも丁稚ケイ、がつがつ。
もちろんおいしいのだけれど正直、いいお値段なのだった。近くのパン店「ル・ムーラン・ドゥ・ラ・ヴィエルジュ」は街角価格でエルメにも劣らぬ直球で昔ながらの味わい、ほれ直したわ。

エルメの代表作・イスパハンのジャムは225g9.7ユーロだった。帰国してのお楽しみにしよう。

午前11時、14区のビストロ「ル・コルニッション」へ。デザートを教わる。

店休日で仕込み中のオーナーシェフ・マチューを訪ねる。歩行者天国のダゲール通りを入った静かな通りにあった。あれ、すぐ近くのコインランドリーまで洗濯に来ていたのに。気付かなかった。

オープンして1年半、カウンターやバー、ベンチシートに丸テーブル、もちろんテラス席もある。座る席によって来るたび、1人でも大人数でも楽しめそう。

キッチンも外も店内も眺められる広いカウンター席がいいな。予約時に指定される人気席だそうだ。

マチューは「赤い実のタルティーヌ、はちみつヨーグルト添え」を準備してくれていた。今週のメニューに載っている、そのまんまだ。ワクワクする。

詳しくは帰国後、お伝えします!

Le cornichon 

午後3時、マレにあるチョコレート店「ジャック・ジュナン」へ。

大人気でカフェスペースは15分ほど待って席に案内された。広々しているからバギーでも入りやすい。お店でお茶できるなんて少ないチャンス、めいいっぱい楽しもう。

サントノーレはふつう、丸いがこちらはモダンなアレンジ版、8.5ユーロ。

「このタコヤキおいしい」。さりげなくリサさんが言う。ぷぷっ。「いや、こんなん当たり前です。私、大阪では全然、面白くないですよ、大阪じゃあ8級ぐらいですから」。

「大阪的会話検定」があるとして、私は何級だろう。ちょっとずうずうしいが5級ぐらいか。「いや、4級ぐらいでしょう」。ありがとう。じゃあ準4級ってことで。

のっぽさん、パリ・ブレストのクリーム。7.5ユーロ。

8級母娘と準4級でリングシュー・パリブレストを攻める。カスタードにプラリネが混ざったクリームがどっさり絞られていて気分いい。

レモンのタルト、きちんと酸っぱい。6.5ユーロ。

オーナーがレモンタルトだけのレシピ本を出しているぐらいだから、よほど自信があるのかな。頼んでみた。キーンと酸っぱい。丁稚ケイにもやってみた。顔をしかめるわけでもなく、面倒そうに平然と食べた。す、酸っぱくないのか君…。

エクレール・ショコラ、6.8ユーロ。

大人味で一番のお気に入り。うんと細長くてシュー皮がしっかり硬くて、チョコレートのクリームもしっかり濃厚、グラサージュも苦みを感じるほど濃い。

ヴァニラとキイチゴのミルフォイユ、8.5ユーロ。

注文してから組み立ててくれる。はらーり、ほどける感じだな。

丁稚ケイ、ショコラ・デビューはジュナン。

生後11カ月のケイ、もうそろそろいいかな。人生初のチョコレートは、ジュナンのボンボンショコラになった。おそるおそるやってみる。カカオ分は75%ぐらいか。何食わぬ顔をして半分、食べてしまった。

午後4時半、パリ在住のピアニスト・ヨーコさん、オーボエのナオコさんと会う。

地下鉄4番線シャトー・ドーで待ち合わせる。近くに面白いお菓子屋さんがあるという。

「レモンクリーム入りのフィナンスィエがすごくおいしくて、全然商売っ気がなくって、チカコさんのアトリエみたいな感じで…」。そこまで言われたら、行ってみるしかない。

名もなき店だから店休日を調べようがなかった。お店前まで行く。日曜日、やっぱり休みだった。外からも何だかアヤシイ感じ、「お菓子の秘密基地」みたい。

一見すると古いパン屋さんふうなのだけれど。また来よう。

レピュブリックのカフェで、広島お好み焼きを語る。

2人は毎年、夏に帰国コンサートを開く。昨夏は京都で子連れOKの演奏会をしてもらった。東京でも同じようなことをしたくて探ったのだけれど、日の目を見なかった。そのおわびも言いたかった。

もちろんどこかで会いに行きたい。第1候補は7月15日の東京・六本木か。20日の大阪公演もいいな、でも福岡に行くついでに21日の広島公演に乱入して、お好み焼きを一緒に食べるというのもアリだな。

「国内なら何とでもなると思ってるでしょう!」リサさんに笑われた。はーい、バレたか。
好きな人はどこまでも追っかけるよ。

パリからの風2012