1スイスフラン≒83円
「1日1ヴァニラヨーグルト」実践。
きょうは「エクセレンス」ブランドを試した。180g入り2個で1.9フラン。
黄色いヴァニラソースが底に潜んでいるのを、スプーンでかき混ぜる。黒い粒々たっぷり、日本じゃありえない。
おまけにヨーグルトのユルユル加減、ちょうどいい。持って帰りたい。最高点だわ…って、まだ実践2個目だけれど。
午前7時半、デモ準備開始。
居候先のナツミさん宅で、「和のおやつ、東北のおやつ」をテーマにデモをする。
緑がいっぱいのブドウ畑とレマン湖が広がる。
タダ史上、世界一眺めのいいキッチンに立つだけで幸せなのに、たくさんの人に会える機会を作ってもらえた。うれしい。
ローザンヌやジュネーブ近郊に住む邦人女性たち計8人が来てくれた。
岩手がんづきは合計7個蒸した。
季節にピッタリの鮎焼きは50尾、焼いてヒレや目はココアをお湯で溶いて書いてもらった。
もう1品はストラスブールでも披露したシンプルな「おだんご」にした。
岩手・大槌町で習った「ひょうずだんご」の中身を添える。刻んだくるみ、黒糖、みそ、黒すりごまを混ぜただけ。
甘辛さが好評だった。ナツミさんは言った。「ビルヒャーにもあいそう」。ヨーグルトにミューズリーを混ぜたスイス名物だとか。
ナツミさんの娘ユマちゃんは、おやつとして味付けノリに巻いて食べていた。へーえ、マネしてみよう。くーるくる。「わ、名レシピだ」「いいねー」。
丁稚ケイの「はとこ」、ユマちゃんの大好物、梅干しノリ。
小さいころから無類の梅干し好きだった。おやつには鳥取のおばあちゃんから届いた梅干しをノリにのせて巻いて食べている。
「食べてみる?」ユマちゃんに誘われて試してみた。
イケる、イケる。ご飯なしエアーおむすび、リフレッシュする。
人生初の梅干しは…大泣き。
ケイはまだ食べたことがない。どんな反応をするだろうか。
11歳のユマちゃんに抱っこしてもらい、ほんの少し口に入れる。あ、渋そう。
でも平然と飲み込んでいる。「さっすがー」。じゃあもう少し、いっとく?
今度は少し大きめ、中指の先ほどを口に入れた。
たちまちフンギャー、泣き出した。やっぱりダメか。単に舌の感度、鈍かっただけか…。
ナツミさんの「お豆腐作りの師匠」も来てくれた。マコさんだった。
ええ、あなたがお豆腐名人なの。肝っ玉母さんを想像していたから驚いた。おしゃれでモデルみたいな美女だったから。
さらに腰を抜かす事実を聞いた。彼女は13歳を筆頭に、3男1女の母なのだった。ウ、ウソでしょう。
「子連れで回ってすごい!」。私を励ましてくれた。
いえいえ、異国で4人の子育てしながらその美貌、降参だわ。東京に戻ったら心を入れ替えよう。いっぱい力をもらった。
スイス在住30年になるメグミさんは、朝摘みイチゴを持ってきてくれた。
午前と午後の2回、デモを終えた。こじんまりとして、あたたかい雰囲気もよかったな。
住んでいる人においしいものも聞けた。「グリュイエールのダブルクリームをカルフールのベリータルトにのせると最高!」とか。試してみよう。
メグミさんのイチゴをナツミさんがシェイクにしてくれた。生き返る。
パリの料理学校製菓コースに通っていたリカさんお手製のクッキーもいただいた。
カリカリ、サクサク、薄焼きで軽い口当たりが心地いい。スイス製バターで私もサブレ、焼いてみたい。
ナツミさん手製の化粧水を携えて午後6時19分、ジュネーブ行き電車に乗った。
グリセリンやフラワーウォーターを混ぜて手作りしているのだとか。
夕方になると顔が引きつり、ますます人相が悪くなってしまう私のために、わざわざ調合してくれた。シュッシュッ。効くー。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に勤める2人に迎えられた。
午後6時46分、トシさん、シゲコさんがホームで待っていてくれた。
「治安はよくないですから、気をつけて」。バスに乗る。ちょっと緊張する。イタリアでは山の中、ローザンヌ近郊ではブドウ畑にいたから。
乗客の肌の色もさまざまだ。大都会に来たなあ。とはいえ人口18万人ほどなのだが。
ジュネーブ在住、通算20年のトシさんの案内で通称「太陽亭」へ。
ぷぷっ、いいな。本名は「カフェ・デュ・ソレイユ」だった。テラス席にバギーを押して入る。気持ちいい。
トシさんのパートナー・ナオミさんはチュニジア出張中、ipadのスカイプでつながった。
現場から首都チュニスまで500キロを車で移動したこと、戒厳令が出てホテルに足止めを食らっていること…。
どれもこれも空が曇っているぐらいの口ぶりで話し、聞いている。さすが国際援助のプロだな。
「どスイス」満喫コースで。フォンデュ。22.4フラン。
どっさりパンが5切れ、ついてきた。パンをちぎって専用フォークに刺す。
ぐつぐつボコボコ煮えたところにダイブさせる。エイヤッ。
「パンを落とさないように!」フォンデュ奉行、トシさんが言う。ジュネーブ育ちのナオミさんは高校時代、「パンをチーズの中に落とした人は、だれかにキス」しなくてはいけなかったそうだ。
わざと落として好きな子にチュッ、しちゃいそう。青春だ。
しっかり白ワインが効いているな。
パンだけじゃバランスどうよ…。「少しずついろいろ試したい」なんて考えない。「好きなものだけドカン派」の私でさえ、日本人的にはやはり思う。こっそりフレンチフライを差し込んで、横展開を試みる。
底がこんがり焦げている。「これがおいしいんですよ」。トシさんがフォークでガリガリ削っている。ちょっとパンクな男性スタッフが「やってあげるよ!」と鍋を持っていった。へーえ、親切だな。
ご飯のおこげと同じ、最後のお楽しみだな。
スイス名物マラコフ、6.9フランちょっと。
揚げチーズで、なぜかこの店では夜限定メニューだった。
「私これ大好き!」。ジュネーブ暮らし2年半のシゲコさんもお気に入り。もっちりアツアツ、クセになりそう。
鶏レバーサラダ、16.9フラン。
レバーは安くて、こちらでもよく食べられるのだとか。ちょっと甘くて、なつかしい。
メレンゲにグリュイエールのダブルクリーム添え、8.9フラン。
デザートは即決だった。ローザンヌのデモに来てくれた女性たちが口々に言っていたダブルクリーム、さっそく出会えた。うれしい。
とろとろした真っ白いクリームが定番の器に入っている。真っ白いメレンゲにのせていただいた。
うーん、ミルキー、たまらない。来てよかった。でも盛りが少ない。「盛り評論家」は叫ぶ。おかわりー。