1スイスフラン≒83円
午前7時、ジュネーブ最後のヨーグルト。メープル味。
スーパー「ミグロ」ブランドで1個、0.55フラン。やっぱりメープルとヨーグルトってあうなあ。
スイスならではの独仏伊3カ国語の表示にも慣れた。やっぱり仏伊は似ているな…などと勉強になった。
午前10時、ナオミさん宅へ。味噌仕込みを見学。
ローザンヌ近郊のナツミさん宅に続いてUNHCR本部での「おやつデモ」に来てくださったナオミさん宅を訪ねる。居候先・シゲコさん宅のプチサコネから歩いて30分ほど。
友人ユキコさんと2人で味噌を仕込むというので見学させてもらった。やわらかく煮た大豆にこうじを混ぜる。「おいしくなあれ」。念じるのがポイントとか。
野球ボール大にまるめたらエイヤッ、容器に投げ入れて空気を抜く。ジュネーブの空の下、最上6階のキッチンで、味噌は仕込まれる。
ナオミさんは納豆やキムチも手作りするという。「手に入っても高いから」。海外で和の手作り道、私もインドに行ったら見習おう…って、国内でもしたらいいのだけれど。
午後2時、ジュネーブ最後の食事。「カフェ・デュ・ソレイユ」へ。
「ジュネーブ最古のレストラン」には最初の夜にも行った。フォンデュとパンがおいしかったな。もう帰るんだな。
テラス席に陣取る。鶏料理の日替わり定食は終わっていた。
イベントを終えた昨夜は力尽き、簡単な夕食をとっただけだった。1時間+11時間の子連れフライトが控えている。ガッツリしめよう。
自家製バターソースのスイス牛ステーキ、24.6フラン。
ナイフでギコギコ切る。口に入れる。ごっくん。のどに詰まりそう。そうそう、この硬さ。
いかにも「外国で味わうステーキ」だな。うれしくなった。
うっかりしていると、やっとこさ切った肉片がピューン、フライドポテトを散らしつつ飛んでいくような。
コクのあるバターソースがたまらない。山盛りのフライドポテトも残らず食べ切った。ああ満ち足りた。
最後に愛する「ミグロ」で買い物。おやつ乱れ買い。
スーパー「ミグロ」には1日、食後に3回、通った。朝ミグロ、昼ミグロ、夕ミグロ…って薬か。
重量制限はエールフランスのため23キロのみ。丁稚ケイも10キロ分の荷物を認められている。体重計に乗りながら荷造りする。おやつだらけだな…。
トシさんに見送られてジュネーブ・コアントラン空港へ。
UNHCR本部での勤務を終えたトシさんが送ってくれた。本当に助かる。それに見送られるっていいな。
タクシーで居候先シゲコさん宅から空港までは10分ほどだった。近くて便利だな。
歩いてゲートをくぐり、フランス側でチェックイン。またスイス側に戻ってデザートを。
スイス・フランス両国にまたがる空港のため、エールフランスのパリ便はフランス側で搭乗手続きをする。
いまは形式だけとなった税関を通過する。
体重計に何度も乗って量った荷物は24キロと11キロ、ぎりぎりセーフ!思わずガッツポーズ、無事に預けられた。
まだ時間がある。「フランス側には何もないから」。住んで通算20年になるトシさんの案内でスイス側に戻る。迎えの人が待ち受ける到着ゲートから再入国、ようこそスイスへ、状態に。何だかおかしい。もう帰るのに。
チョコレート屋さんでキイチゴのムースを。
空いているせいか店員さんも気ままというか、何というか…。
ショコラトリー「MARTEL」でキイチゴのムースを頼んだ。ちょっと乾いたキイチゴだったけれど日本じゃなかなか、お目にかかれない。トシさんと丁稚ケイと分けっこした。
午後8時半、ジュネーブ発AF1043便でパリ・シャルルドゴール空港へ。
ガラガラで助かった。エールフランスは子ども用のベルトがあった。あちこち乗ったけれど初めてだ。大人用のシートベルトに通してタンデム状態にして使う。
「国内線」でもちゃんと機内サービス。
ジュネーブ〜パリは「国内線」扱い、おまけにフライトも1時間ほどだが、飲み物サービスが。さすが食い意地の張った国…、いや食を大切にする国だな。
どこにでも売っているプーラールおばさんのビスケットだけれど、空の上で食べると輝いていた。
午後9時半、シャルル・ド・ゴール空港着。2Fターミナルから2Eターミナルへ。
まだ明るい。隣のターミナルとはいえ案外、遠かった。エレベーターを昇り降りしてシャトルにも乗る。
おむつを替えておこう。赤ちゃんマークが視界に入る。あった、あった。扉を開けると蛇口がついていた。沐浴をさせるためだろうか。
おむつを替えたいだけなんだけどな。自動センサーで水が流れるから、蛇口がないほうが替えやすい。仕方なく端っこに台に立たせて替えた。ちょっと不思議。
午後11時35分、成田行きAF278便は満席。
ベビーベッドはない機材だった。覚悟していたけれど…。
抱っこしっぱなしなうえ隣が男性なのは、うーん、しびれるなあ。アテンダントに頼み、席を替えてもらった。
隣はフランス人の子どもだった。14歳の少年と6歳の女の子で、グループで旅するのだという。ケイを「カワイイ」と言って、ずっと相手をしてくれた。ありがとう。
機内食は「豚の白扇揚げ」、羊チーズのサラダ。
お腹に10キロの赤子を乗せて11時間の耐久フライト、これも修業…。
深夜便のおかげでケイはぐっすり眠り始めた。よくこんな格好で眠れるなあ、君。
思わず言いたくなったがありがたい。起きていたら飲み物さえ受け取れない。
テーブルを倒して食事もとれた。エコノミークラスでもシャンパンが出るのがエールフランスらしい。食後、2時間ほど私もウトウト…。
到着2時間前、朝食を。
ハムとチーズ、パン、フロマージュ・ブランにリンゴのコンポートだった。
隣の女の子はパンを横2つにナイフで切り、ジャムを丁寧に塗っていた。
さすがフランス人、ちゃんとタルティーヌにするんだな。リンゴのコンポート、スイスでもやたら見かけた。ちょっとうれしい。離乳食のようだけれど大人も好きなデザートらしい。
「ショコラ・ショー?」アテンダントに声をかけられた。
さすがフランス、機内サービスでココアが飲めるなんて。丁稚ケイが起きたので断念したけれど、飲んでみたかった。
午後5時半、成田に到着。丁稚1歳の誕生日。
パリの滑走路の上で、京都生まれのケイは1歳の誕生日を迎えた。
午後5時半、薄曇りの東京が翼越しに見える。去年のいまごろ、ちょうど産声をあげた。私は痛くて痛くて、でもギャーという泣き声を聞いて、私も泣きながら安心した。1年、あっというまだったな。ちょっと涙ぐんだ。
生後3カ月で渡ったパリを皮切りにこの1年、中国、アメリカ、カナダ…7カ国を一緒に巡った。どこでも助けてくれる人たちがいたからこそ。心から感謝しよう。もっともっと出会いたい。
成田からスカイライナーに乗る。「カーチャン、次はドコ?」。ケイが手ぐすねしている。よっしゃー、まかせとき。