東京に住んで1年、3分の1は旅の空。

丁稚ケイが生後1カ月を迎えた昨年8月、東京へ引っ越した。在住1年、でも3分の１は旅の空だった。生後3カ月から27回、飛行機に乗って国内外を旅した。手帳をめくる。

数えたら昨年8月から1年で126日間、東京を留守にしていた。そ、そんなに。

1周年記念の8月は「東京強化月間」に。

2月の東京マラソンにも申し込んだ。それまで住んでいるか分からないが、どうせ倍率10倍だ。なかなか走れないが、せめて歩こう。

築地に出かけた。

ニューヨークに一緒に行ったナオコさんに案内してもらった。界わいで働いて10年以上になる。

午前10時、市場へ。バギーなんて乗り込めるだろうか。

狭い道に狭い店…。「あれが大丈夫なんだからいいでしょう」。ナオコさんの視線の先に、キャリーケースを転がす観光客がいた。そうだよね。いてまえー。

好球必打、気になったら即買い。

緑茶の試飲を勧められ、さっそく買う。「まだまだありますよ〜」。ナオコさんに笑われた。でも30℃を超えた屋外、90分1本勝負だな。

珈琲店「愛養」へ。

歩いて10分もたたないうちに、もう休む気かっ。まぁいっか。日比谷から歩いてのどが渇いた。「愛養」はナオコさんが時々、同僚と入るという。

カウンターだけのように見えたが「あっちあっち」と合図してくれた。反対側の入り口へ回る。テーブル席があった。抱っこして座る。コーヒー420円。

シメに湯のみで熱いお茶を出してくれた。ご近所さんちみたい。

豆専門店「山本商店」で大正金時と煎り大豆を。

無類のマメ好き、ますで量り売りにときめく。危険ゾーンだわ。

「金時なら湯でこぼし、1回だけでいいよ」。そっか、1回なら楽だな。うっかり買った。暑くて火を使う気もしないくせに。

黒煎り豆の試食も勧められた。400gも入って651円、安いかも。

お湯を注げば黒豆茶になるとか。会話しながら買えるのってやっぱりいい。

あ、まずい。ケイからいいにおい。

おむつを替えなくては。駅にはバリアフリーのトイレがあるはず。ナオコさんが「市場にもできたはず」という。案内通り「だれでもトイレ」があった。さすが東京。

スパイス屋さんの壁一面、吹き出しだらけ。話しかけられた、ような。

おじゃこは産地によって微妙に値段が違うなぁ。どれどれ。静岡産を買う。あちこちでいろいろ試しているサイダーは、三ツ矢の復刻版があった。ちょっとラムネっぽい。

建物の合間をすり抜ける。

香港の裏通りみたい。「こういうところの2階に喫茶店があったりする」のだそうだ。深い。

「良くない　210円」…？

品ぞろえのいい八百屋さんで「良くない」との表示に目がくぎづけになる。小さく「見た目」とあった。何だ、びっくりした。300g、210円のエダマメだった。正直というか…。

茂助だんご、ふんわり。

粒あんは「マッシュド」、こしあんは「ピュレ」と英語で説明されていた。1本150円。醤油焼きは140円だった。

いかにもおだんご、ふんわりしている。甘さ控えめで、いくらでも食べられそう。

パスタとピザの「トラットリア築地トミーナ」へ。

表の黒板メニューに「エビとゴーヤのジェノベーゼ　注：ゴーヤは抜けません（笑）」とあった。

場内に1号店がある。ここのピザが好きだが、カウンターしかない。子連れには厳しい。2号店にはバギーごと入れた。

ナオコさんは「エビとゴーヤのジェノベーゼ」、私はズワイカニのトマトクリームに。

大盛り（150g）は無料とあった。もちろんお願いしまーす。ケイにもやるし…って、ほとんど私が食べるのだけれど。

ジェノベーゼを味見させてもらった。ちょっと苦みがある。ゴーヤだゴーヤだ。

サラダにフォカッチャ、コーヒーもつく。正午までに入ればデザートもつく。この日はティラミスだった。

「リキュールが効いているから」と、丁稚ケイにまでブラッドオレンジのシャーベットを持って来てくれた。

これで1000円、私はカニだから1500円だけれどオトクだな。

何よりスタッフが親切で、子連れでも嫌な顔をされなかった。おまけにオトコマエ、いうことなしだわ。ありがたいっ。叫びそうになる。

築地4丁目交差点の輸入食材「あんくるこーちゃん」、ワクワクする。

お、パリの紅茶「ジャンナッツ」もある。一人で踊り買いする。

アメリカ製パルミジャーノが85g入り、たった100円だった。ゴーヤを手に入れたら「築地ジェノベーゼ」、作ってみよう。

この日の歩行距離：8.2㎞　気温：34.7℃