ピエモンテ編[3]チーズ工房・イタリアワインの王様の里へ

3日目午前8時半、イクコさん宅で朝食午後1時、チーズ職人シルヴィオを訪ねる3日目午後2時、チーズの試食3日目午後4時、ワイナリーを訪問3日目午後6時、アルバの街を一望する丘で会った男の子3日目午後9時、タルタル3日目午後9時半、ズッキーニの花のフライ3日目午後10時、太麺のトマトソース3日目午後11時、ジェラート盛り合わせ

1ユーロ≒100円。

午前8時半、B&B Antonella(ただし仮オープン)で朝食を。

元々は牛舎や馬小屋であり、ワイン蔵でもあった食堂に入る。わぁ、広い。私がお邪魔した2年前、床はまだ砂利で薄暗かった。

築100年以上の石造りの農家は大改装され、もう完成したように見えるけれど。

まだ壁のデコボコを埋めたり、屋根裏部屋やベランダに手を入れたり…。細かい作業がのこっているのだとか。

正式オープンは「来春ぐらいかな…」。

カウンターに用意してくれた朝食にときめく。

カスタード入りクロワッサン、薄切りハムにイチジク、ブドウは庭でとれたマスカットの一種・モスカートだった。

「おいしいワインになるのかぁ…」。ヨーコさんがうっとり言う。

壁にセメントを入れて塗り固める作業を続ける。

午前11時半、ラファエッラの農家民宿へ。

2年前に6泊した。台所に立ち、ラヴィオリやココアプリンを教わった。ラファエッラの4人の子どもたちはすっかり大きくなっていた。

アンナは今月から高校生に。ジュリアは「バレーボールの選手になりたい」、長男フランチェスコは首をかしげた。母ラファエッラは言った。「ラテンの男だからね」。優柔不断との意味みたいだった。うふふ。

末娘エレオノーラは、ケイにぬいぐるみをたくさん出してあやしてくれる。ありがとう。

あんずのジュースで乾杯する。「ここで子だくさんなのを見て、子どもが欲しくなったんじゃない」。笑われた。

午後1時、チーズ職人シルヴィオを訪問。

30頭の羊たちが迎えてくれた。パンを焼き、手で乳を搾り、チーズにする。すべて1人でこなす。ひとつひとつに魂を込めた手仕事、すごい。

詳しくは帰国後、報告します!

午後5時、イタリアワインの王様・バローロで一番古いワイナリーへ。

テイスティングと蔵を見学させてもらった。ここまで来たのだ、ええい、買ってやるー。

モスカートとバローロを6本ずつ送ることにした。クロネコヤマトの航空便で、送料180ユーロ。

商品と同じぐらいかかるな…これも勉強、実験。

ピエモンテの一望する丘へ。

かわいい坊やがいた。あ、丁稚ケイと同じバギーだ。思わず微笑んだ。1歳2カ月のケイより1カ月だけお兄ちゃんだった。

彼がニコニコしてケイを指さす。

「ビンボ、ビンボ」。えっ、ビンボー?

ううっ、カネなら確かにないが、どうして分かったのだろう。

戸惑っていたらイクコさんに言われた。

「イタリア語では男の子のことをビンボ、って言うんですよ」。なぁんだ。

たった1歳3カ月でそんな言葉を発するんだ。恐るべしイタリア男子。

ブドウ畑にあるオステリア「プロフーモ・ディ・ヴィーノ」へ。

ピエモンテ牛のタルタル、10ユーロ。

タルタルには定番の卵黄もケッパーもなかった。ごくシンプルに塩、コショウ、オリーブ油だけが出された。

自信の直球、受けて立とう。フォークでざっくり、90度ずついただく直角打法で斬ってとった。

どうだ…って、そんなに力んでどうする。

ズッキーニの花のフライ、スカモルツァ・チーズのディップ添え、9ユーロ。

くん製されたチーズのコクがたまらないな。シンプルなようでひと工夫あった。

パッパルデッレのエビ、トマトにツナのボッタルガ(からすみ)。13ユーロ。

幅広麺にあっさり味、ボラではないけれど「からすみ」味だな。

ピアニスト・ヨーコさんが頼んだ黒トリュフのパスタは瓶詰めに入ってきた。「森のダイヤ」と呼ばれる香り、逃すまじ。気合を感じる演出だな。素敵。

ジェラート盛り合わせ、9ユーロ。

ヌガー入り、モモ、ヘーゼルナッツにピスタチオの4種類が並んで現れた。カッコだけじゃない、本気の舌触り、香り。絶対にマネできないな。降参しよう、そうしよう。大急ぎで味わうのだった。