パリ編[3]オペラからバスチーユを歩く

アンジェリーナのモンブラン服と靴のリサイクルボックスポゼットのジェラートヴォージュ広場で遊ぶフローラの前菜フローラのメーン、豚肉のロティエッグタルト2ユーロフローラのデザート

1ユーロ≒100円。

午前8時、ポワラーヌのリンゴタルト。2.35ユーロ。

ホテル近くにある老舗パン店ポワラーヌへ走った。リンゴタルトは本当は「ル・ムーラン・ド・ラ・ヴィエルジュ」のが一番、好きだけれど、少し遠い。

久しぶりにポワラーヌのをいただこう。軽くて食べやすい。

歩いてオペラ・ガルニエ方面へ。

セーヌ左岸から橋を渡り、ルーブル美術館前を通り過ぎてオペラ座界わいへ。

百貨店ギャラリー・ラファイエットのグルメ館もパトロールする。棚に気になる変化がないかな、新参者がいないかな…ってナニサマじゃ。

アンジェリーナでモンブラン。8.4ユーロ。

どうやら相方ユウさんが歩き疲れたらしい。デパート内にある老舗サロンドテ「アンジェリーナ」で休もう。

日本のデパ地下でも買えるが初心者Aコース的にはアリか…ってこれまたナニサマじゃ。

日本では「おっきくて甘い」印象だけれど、ここはパリ。

やっぱりこれぐらい大きくて甘くなくちゃ。一緒に頼んだクロック・マダムも何気ないのに主張のある味わいだった。

15ユーロと値は張るけれど。「資生堂パーラーで食べているようなものですかねぇ」。

チーズとパンとハムの味にうちふるえているユウさんが言った。まぁそうかな。

パリの青空の下、てくてく歩いてバスチーユ広場へ。

ユウさんと別れてバギーを押す。モンマルトル通りからランビュトー通りに抜けて、4.5キロほどを歩いた。1時間ほど。

あ、ここ前にも来たな。アイスランドの火山灰が降って泡を食ったこと、留学中のこと…。

歩きながら記憶が駆け巡る。ほろ苦い。心がじんわり、ひりひりする。

何もかもパリで学べた、糧になった。そう思う。感謝しつつ前だけ向いて歩いて行こう。

洋服のリサイクルボックスを発見。

歩きながらいくつか目についた。パリ市が設置している洋服のリサイクルだった。靴や革製品も入れることができる。いいな。

マレにあるジェラート屋「ポゼット」へ。

ピエモンテを一緒に旅したピアニスト・ヨーコさんに案内してもらった。お気に入りのジェラート屋さんという。

Mサイズで4.8ユーロ。

ヨーグルトとミルク、ピスタチオにした。

「チェーン系に比べてちょっとしっかり硬めなところがいいんですよ」とヨーコさん。

そうそう、でも舌にのせるとスーッと夢のような食べ心地、おぬしやるな。

ヘーゼルナッツ味があるあたり、ひょっとしてピエモンテの人がやっているのかも。

案の定、オーナーはピエモンテ出身だった。

隣の「コム・ア・リスボン(リスボンにいるように)」も。

店頭に並ぶポルトガル菓子エッグタルトがおいしそう。

1年2カ月前にオープンしたという。エッグタルト2ユーロ。シナモンをかけてくれた。でもないほうがいいかな。

温かくてクリームがとろーり、幸せになる。小さい店で座席は2つしかない。

棚にはポルトガルの食材が並んでいた。ポルトガルに行ってきたヨーコさんお勧めのイワシ缶を買った。4ユーロほど。

ヴォージュ広場のイワシ売り。

バギーにハリツケにしていた丁稚ケイをリリースしよう。芝生に座り込む。ヨーコさんと次の夢を語る。ヴォージュに誓おう、次のステップを。

いい刺激になった。ケイはイワシ缶を手に、よちよち歩いて周りで寝そべるカップルにちょっかいを出していた。

最後の晩さんは「オーベルジュ・フローラ」へ。

タパスコース45ユーロにした。3階建てのトレーに小皿料理がてんこ盛り。いろいろつまめて楽しい。

メーンは子豚ちゃんかイカだった。がっつり骨付き肉にする。デザートもたくさん!幸せな味、メロメロになる。

午後11時、バスチーユからタクシーを拾う。

「帰ったらパッキングしなきゃ」。そう言って気付いた。あれ、ラファイエットで買ったばかりのスーツケースが、ないーっ。ユウさんが店に置き忘れたのだった。あーあ。

慌てて取って返す。どんまい、私もヨーコさんに借りた電圧器を返し忘れた…。