岡山編<下>赤磐でモモとブドウと給食めぐり

赤磐のブドウ農家訪問赤磐のキャンベル畑赤磐のキャンベルが右、ピオーネは左赤磐の小学校1年のクラスへ赤磐市立仁美小学校で給食赤磐で給食。牛乳瓶入れ、なつかしい赤磐の子どもたち、鮎焼きにトライ赤磐の子どもたち、鮎焼きに成功

午前10時、赤磐(あかいわ)市のモモ農家へ。

「あかいわ弾丸ツアー」を計画してくれたのは市教委に勤めるマユミさんだった。

岡山市中心部から車で1時間、田んぼの道をどんどん入る。

桃農家イケモトさん宅を訪ねた。マユミさんが今夏、送ってくれた清水白桃の作り手だった。

詳しくは改めて報告します!

午前11時、ブドウ農家を訪ねる。

「80歳でもやれるのを見て、いいなと」。タムラさん夫妻は姫路から移り住んで3年目になる。

師匠・カツウラさんに教わりながらニューピオーネやキャンベルを育てている。「楽しいですよ」。箱詰めしながら笑った。

携帯を手にしたマユミさんがカツウラさんに言った。

「いま市役所の同僚から電話で、キャンベルをひと箱もらえんかなぁと言っとるんじゃけぇど…」。「どのくらい?」「ナンボでも」。

カツウラさんは長靴に履き替えた。ハサミを右手に、黄色の買い物かごを左手に。

100メートル先のキャンベル畑へ。

収穫を見たい。後を追う。「泥じゃけぇ、中は無理じゃろう」。あきらめて道端で待つ。

5分もたたないうちに、紙袋をまとった房がかごを埋めていた。早っ。

「食べてみられぇ」。

1房を分けてくれた。摘みたての黒い粒を口に運ぶ。ピオーネや巨峰より一回り小さい粒、でもしっかり黒い。

口の中に運ぶ前から香りが立つ。

あ、なつかしい。子ども時代、おばあちゃんちで食べた味だ。香りも味も濃い。ザ・ブドウだわ。

はーっ、ほれた、ほれちゃった。

詳しくは改めて報告します!

四半世紀ぶりに岡山の給食、食べてぇなぁ。

私の願いは全校37人という小さな学校でかなった。

正午、市立仁美小学校へ。献立は味噌ラーメン、キュウリの和え物、春巻き、フルーツたっぷりの杏仁豆腐、そして地元のオハヨー牛乳だった。

瓶詰め牛乳のふたはキャップ式になっていた。

「私たちのころは紙のふただった」「そうそう、ちょっと開けづらくて」。マユミさんと言い合う…って、彼女の方がずっと若いけれど。

ラーメンと牛乳…春巻きと牛乳…うーん、大人にはちとつらい。200㏄を一気飲みした。お腹が張るな。

1,2年生9人に「おやつ教室」も。

パリでも披露した鮎焼きを作ってもらった。中身はぎゅうひではなく、赤磐産ジャムに。

「おいしかった?」「おいしかったー!」お皿をあげて言ってくれた。

バタバタと岡山空港に向かう。あ、虹じゃ。

マユミさんが言った。「わっ、ふっとい」「お願いしたら願いごとがかなうよ、急げ」って流れ星と勘違いしているか。まぁいいや。

私が叫んだ。「また本、つくるぞーっ」。ハンドルを握ったマユミさんが続いた。

「彼氏つくるぞーっ」。アハハ、ガンバローッ。

岡山空港で青ざめた。自宅のカギが見当たらない。

そういえば昨夜、部屋で丁稚ケイが引っ張り出して遊んでいたような。あーあ、やっぱりポカしたか。さっきの勢いはどこへやら。

ま、ぼちぼちいこか、おやつをほおばりながら。空港売店で買った岡山キムラヤのパン「スネーキ」を丁稚ケイと分け合うのだった。