横浜中華街でサンフランシスコ会

米カリフォルニア在住、キヨミさん帰国。

彼女はサンフランシスコ近郊オークランドに住む陶芸家だった。

北米を旅した9カ月前、お世話になった。彼女の友人である芸術家エレンに習った「バタもち」は新刊「世界のおやつ旅」でも紹介している。

ぜひ会いたい。

キヨミさんを紹介してくれたヨーコさん、シンコさんと4人で横浜で会った。

ヨーコさんは10年、シンコさんは30年、サンフランシスコに暮らした。たった1週間いただけだが混ぜてもらおう。

JR横浜駅から歩いて中華街へ。

道すがら「横浜アンパンマンこどもミュージアム&モール」を見つけた。ううん、どうしよう。
自宅から50メートルの場所に「フレーベル館」があって、地下にショップがある。わざわざ横浜まで来て行かなくても。

まあいっか、丁稚ケイに土産でも。立ち寄った。

さすがに週末、子連れ天国だった。

列のなかったベビーカステラと人形焼を買った。7個入り300円、人形焼はカスタードにした。120円。

午後2時、中華街で飲茶。

「おいしい中華粥が食べたい」。そう考えたが昼下がり、出す店は閉まっていた。

どこでもいいから話したい、マシンガントークしたい。

「飲茶1150円」とあった店に飛び込んだ。エビ餃子、焼きそば、サトイモの三角揚げ…。点心11種類があっというまに並んだ。

英語交じりの日本語が飛び交う。

「アメリカで最初、戸惑ったのが<what do you think?(あなたはどう思うの)>と訊かれること。日本だとまず話し合うでしょう」。

「もちろん、アメリカだって一長一短だけれど」。キヨミさんは必ず、言い添えた。

どのセイロも左端が真っ先になくなっていく。

あ、私だ…。早口早飯、自慢にならないか。桃まんじゅう、杏仁豆腐でしめた。

中華カステラを求めて。

1年ほど前、地元出身の友サトゼンに案内してもらったが売り切れだった。お店の名前も忘れてしまった。どこだっけ。彼にSOSを出す。また教えてくれた。

「聚楽」の馬拉糕(マーライコウ)、あった。

2切れ440円。しっとりミルキー、たまらない。

卵、小麦粉、砂糖、練乳、植物油、膨張剤とあった。

2軒目は「悟空TEA BAR」へ。

「悟空茶荘」は満席で入れず、セルフの2号店に舞い戻った。

ねじり菓子「麻花」があっさりと上品でポリポリ、止まらない。5本入り263円を買って帰る。

キヨミさん物語にしびれる。

銀行勤めから「どうしてもフラメンコを習いたくて」スペインに住み、ジャマイカでも暮らした。いまは陶芸を選び、バークレーにスタジオを構えている。

「30代後半、40代は、パッションをあるものをしないと」「やりたくてやりたくて、いてもたってもいられないものを」。

胸がじんじんする。

情熱に綴じられた人は、どこでも歩いていけるんだな。弟子入りしたい。

5時間ほど語って別れた。中国茶を1リットル以上、飲んだ気がする。

ぎゅうっと抱き合って横浜駅で別れた。胸が熱くなる。地球のどこかで、また会いたい。

オークランドの日系アーチストに習った「バターもち」★