17:40、福岡のセレクト書店「ブックスキューブリック箱崎店」へ。
3冊目の「パリのおやつ旅のおやつ」イベントを開いたのは1年前だった。2階にある改装中のカフェで、オーブンを使い初めさせてもらった。
大好きな書店に自分の本を並べてもらい、出版イベントを開けるなんて。じんわりうれしい。
らせん階段を上がって2階へ。
本に登場する「世界のおやつ旅」プレートを楽しんでもらおう。
10人分、あっというまに並べ終わった。まだ1時間ある。1階の棚をのぞいて来よう。
絵本や雑貨に目移り。
久留米で留守番している丁稚ケイへのお土産を買おう。
絵本「だじゃれ日本一周」や木のカトラリー、おもちゃのホウキとチリトリ、ざら紙のレターセット…あっというまに両手がふさがった。
北欧デザインの本、旅行の本…あちこちに気になる棚がある。いや、そろそろ戻らないと。何しに来たんだか。散財スポットだわ。
19:30、イベントスタート。
仕事帰りの女性10人が来てくれた。1年ぶりの顔もあった。本当にありがたく、うれしい。
まずは飲み物の注文を。
オリジナルブレンドのコーヒーか、みかんジュース、りんごジュース、ビールから。ビールっていいな。
すきまあれば飲み屋がある福岡らしいかも。
パンデピスは「黒棒と思えば…」。
フランス・ディジョンの老舗菓子店のパンデピスを食べてもらった。スパイスが効いた日持ちするケーキで、ちょっとクセがある。どうかな…。
「九州名物のお菓子<黒棒>の延長と思えば抵抗ない」。参加の1人が言ってくれた。確かにパサッとした食感、似ているかも。一同「なるほど〜」。そういう入り方もあるか。
21:30、打ち上げに屋台へ。
「じゃあ、行きましょうか」。オーナーの大井さんが誘ってくれた。わーい。夜に1人で出かけは久しぶり。ソロ飛行を楽しもう。
箱崎宮の参道にある「屋台を超えた屋台」。
「座敷があるんですよ」。大井さんが指さす先を見る。え、どういうこと。
障子戸で覆われた「奥の間」が。
外に靴が並んでいる。ちょっとのぞくと畳の上で客がでくつろいでいた。
「毎日、組み立てて、またバラしているんですよね」「休みの月曜以外は、そうでしょうねぇ」「ここまで立派なんだから、もう店にしたらいいのに」。
昭和28年創業だから60年以上。
「県外客を連れて来たらもれなく喜ばれる」と大井さんは言った。そりゃそうだろうな。
おでんは「これぞ福岡」の餃子巻き。
プニプニした食感、何だろう。香港の飲茶メニューの定番・腸粉みたいな…。
食べ終わって大井さんに訊く。「餃子入りなんですよ」。そうだったか。クセになりそう。
焼き鳥は七輪にのせて。
冷めないようにしてくれるのもいいな。ポン酢のようなタレもおいしい。
23:20、解散。
「いつでもまたどうぞ」。別れ際に大井さんが言った。いつもそう言ってくれる。フトコロの深さはさすが、福岡の文化リーダーだけある。
0:00、久留米行き最終。
天神までダッシュして間に合った。ホッ、シンデレラ列車だな。あぁ、魔法がとける。
8人掛け席のどの両端にも、ずり落ちて眠る人がいる。ほんわかする。お疲れさま。
帰宅途中に姉から届いた丁稚ケイの写メールを見た。彼にとっていとこになる7歳児のユウとリョウが、2人がかりでお風呂に入れてくれたらしい。
「ちょっと沈んだけど大丈夫だったとよ〜」。
翌朝、言われた。うふふ、本当にありがとう。