ニュージーランド編(2)ハミルトンでコーン・フリッター


1ニュージーランドドル≒80円

11:20、ハミルトン着。

オークランド国際空港から2時間、ニュージーランド第4の街ハミルトンに着いた。

11:40、フミコさんあらわる。

彼女が勤めるワイカト大学から私たちの宿まで、自転車で駆け付けてくれた。

わー、はじめまして。

やっと会えた。胸がいっぱいになる。

ニュージーランド行きを決めた年明けからいままで1カ月余り、1日に4〜5通もメールを交わす日もあった。

宿の手配からカフェ、市場情報、恐るべき細やかな気配りだった。会ったこともない私たちのために。ありがたすぎて涙が出そう。

「で、まず業務連絡から…」。

フミコさんはマネジャーのように、A4の紙を1枚ずつ、私と姉に渡した。

「多田千香子さん、酒井佳世さん、および子どもたちのNZ旅行」。

スケジュールが私と姉ごとに表になっていた。

3人の子連れだからお互いの予定が重ならないよう、予定が組まれていた。

私は連日、彼女の友人たちの「料理レッスン」。

姉は姉で研究テーマであるインターンシップについて、大学の先生や学生とのインタビューをアレンジしてもらっていた。

ヒエー、姉の分まで。おんぶに抱っこ過ぎる。

すごい、すごいよ、フミコさん。「ではお昼に行きましょう」。感動している私のわきで、淡々と言うのだった。

歩いて喫茶店「momento」へ。

ハミルトンのチェーン店で、ちょっとレトロな内装もいい。入ってみよう。コの字型のベンチシートが座りやすそう。

コーヒー4ドル(320円)。レジ脇のショーケースから食べ物を選ぶ。

サンドイッチにパニーニ、世界中どこでもありそうなメニューは後回しにして、と。何か面白そうなものは…。

「コーン・フリッター」に目が止まる。

トウモロコシのお焼きサンド、というべきか。フリッター、なんだな。8.5ドル。

温めてお皿にのせ、サラダを添えて出してくれた。コーヒーとあわせると12.5ドル、計1000円か。

「物価、高いですよ。日本並みか、それ以上じゃないですか」。フミコさんが言った。

あ、子ども用の椅子があった。おもちゃもある。ありがたい。宿にも近いし、通いそう。

根菜サラダも頼んだ。サツマイモや白いニンジン…。

カッテージのようなチーズで和えてあった。なかなかおいしい。1歳8カ月になったケイが一番、食べていた。

パックン・セーブ(PAK’N SAVE)でお買い物。

ニュージーランドの倉庫型チェーンスーパーで、黄色い外装がいかにもお値打ちそう。

大きなカート、天井まである段ボールに入れっぱなしの商品…子ども用カートまで「でかっ」。

おしりふき80枚入り1.89ドル、キウイ印のミネラルウォーター1.5リットルで99セント、おむつMサイズ(84枚入り)29.99ドル…。ハミルトンの地図も買っておこう。8.99ドル。

うーん、水以外、安くはないな…。

夕飯はさっそくお呼ばれ、アーニャ宅へ。

ドイツ語の翻訳家でフミコさんの友人だった。ワイカト川を渡った住宅街にあった。夫スタン、犬のミチと迎えてくれた。

広い庭のテーブルでいただいたのは、お手製コーン・フリッター。

あ、昼間に「momento」で食べたばかりだった。

「トウモロコシは、ちょうどいまが旬だから」。そうか、夏だものね。お店のと違ったのはサワークリームに生クリーム、チャイブを混ぜたソースを添えてくれたこと。

フリッターといっても揚げているわけじゃない。まさに「お焼き」だった。

サワークリームのソースがよくあった。

ブルーベリーとパッションフルーツのタルトは自家製だった。オレンジ入りカスタードがよくあった。

丁稚ケイはブルーベリーだけ30粒ほど食べていた。残りのクリームとサブレ生地を食べるのは私だった。ブルーベリーなしのブルーベリータルトか…。

近ごろひどい。イチゴなしのイチゴショートとか、リンゴなしのアップルパイとか、親子丼の親子なしの丼とか具なし巻きずしとか。

コラー、全部食べんかいっ。