インドの保育園キッチンで給食修業〜6月編(上)

突撃!保育園のキッチン。

先週金曜日、事務に申し出た。試食するだけでは物足りなくなった。料理しているところを見て、覚えたい。

「校長に訊いてみる。おそらく火曜日から大丈夫かな…」。

そう言われたが待ちきれない。

月曜日、校長室に押しかけた。

サリー姿が美しいリティカ先生に直談判する。

菜食ランチがおいしくやさしく、感激した。ぜひ紹介したい。

「いいわよ」。オッケーが出た。やったー。

火曜日から厨房に入れることになった。

メニューは月替わり、曜日で同じだから、毎月第1週にキッチンに通うことにしよう。

コックはロッキーさん。

ムンバイの料理学校を出て「船乗り料理人」をしていたという。

給食づくりを任されて3年になる。

保育園部門のリーダー、レイカ先生と一緒に献立を考えるのだとか。

たとえば6月の月曜日は…。

オープンテラスのロビーに張り出された看板を見る。

10:30、スナック=ベジ・セワイヤ(何だろう?)

12:30、ランチ=マスール・ダル(レンズマメのスープカレー)、インゲン炒め、ロティ(チャパティ、全粒粉クレープ)、ご飯、ライタ(ヨーグルトサラダ)

16:00、スナック=バナナマフィン

17:00、スナック=ニンブ・パニ(レモネード)

アルファベットで書かれているが、パッと見ても何だか分からないものが多い。

月曜日、さっそく試食。

4階にあるキッチンわきのカフェで試食させてもらった。

インゲン炒めはほどよい硬さで、ちょっとスパイシーだった。

コリアンダー入りのスープカレーはマイルドで、素朴なロティをちぎる手が止まらない。やっぱり好きだなあ。

おやつ、1日3回。

多いなあ。タダチカコとしてはうれしいが親としては…。午後の1回は飲み物だから、まぁアリか。

火曜日の献立は…。

10:30、ブレッド・ピザ

12:30、ライマ、レディーフィンガー(オクラ炒め)、ロティ、ご飯、サラダ、グラブジャムーン

16:00、マンゴーシェイク

17:00、ベジ・サンドイッチ

ライマってなんだろう。ワクワクする。

10:30、4階のキッチンへ。

ちょうど午前のおやつを作っている最中だった。

全粒パンにチーズ、トマト、ピーマンをのせたピザだった。やさしくておいしいな、これも。

10:40、ランチの仕込み開始。

「ライマ」はキドニービーンズ(金時豆)のような赤い大きな豆のカレーだった。

大きな鍋に大豆油を熱し、粒々コリアンダー、ニンニクとショウガペーストをお玉で混ぜる。

みじん切り玉ねぎ、ざく切りトマトを入れる。

塩、コリアンダーパウダー、クミンパウダーを大さじ1ずつほど入れる。

トマトピューレをお玉4杯ほど入れて煮る。あらかじめ煮て、少しつぶした豆も一緒にして煮る。

牛乳100㏄ほど、バター少々を入れておしまい。

できたてを試食させてもらった。バランスがいいな。少しとろみがあって、豆がねっとりして。

オクラのマサラ炒めは…。

ごま油のように褐色の油を熱していた。マスタードオイルだった。粒々のクミンとガーリックペーストを入れる。

続いてオクラを炒め、ターメリックを小さじ1ほど振りかける。タマネギの薄切りも入れる。

塩小さじ1、刻んだショウガを混ぜ、さらに炒める。15分ぐらい。

クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ざく切りトマトを混ぜる。

最後に塩で味をととのえ、乾燥コリアンダーを散らして出来上がり。

結構、長時間炒めていたので大丈夫かな…と思ったら、歯ごたえもよくて食べやすい。ご飯にのせたい。安心していただける。

出た!グラブ・ジャムーン。

インドのデザートといえば…のグラブ・ジャムーンは「ひとくちドーナッツのシロップ漬け」だった。甘い。さすがの私も食べ切ったことがない。

試食する。あ、シロップがまだ温かい。

案内してくれたレイカ先生が言った。「甘いでしょう?」。はい。カレーのように、もう少し手加減して…。