★水曜日
午前のおやつ:ベジ・バンビーノ(Bambino)
ランチ:アルー・マサラ、ドーサ、サンバル、ココナッツ・チャツネ
ベジ・バンビーノ=野菜カレー麺。
「バンビーノ」はイタリア語で「男の子」を意味する。保育園だからか。こじゃれたネーミング、ちょっと不思議なんだけれど…。
ブチブチに切れた細い麺・ヴェルミセリの焼きそばだった。どこがバンビーノ…。ロッキーさんが袋を取り出してくれた。「バンビーノ」と書かれていた。なあんだ、麺のブランド名なのか。焼きそばUFOみたいに代名詞なんだろうな。
ランチは南インド・デー。実からつくるココナッツ・チャツネ。
コックのロッキーさんがおもむろにハサミのこわれたのを取り出した。ざっくりココナッツの実に突き立てる。棒でたたきわり、皮をむいて実から取り出す。
ぜいたくだな、ちゃんと実からつくるココナッツ・チャツネなんて。
細切りにしたココナッツにショウガの薄切りを入れ、スパイスと一緒に炒める。ヨーグルトを足してミキサーでペースト状になればOK。子ども用にはトウガラシなし、スタッフ用にはトウガラシ1本も足す。
甘さと辛さが押し寄せ、さわやかだな。繊維質たっぷりで、好きな味かも。
アルー・マサラ=ジャガイモのドライカレー。
材料=アジュワン、コリアンダーシード、マスタードシード、トウガラシ、ヒング(セリ科、和名アギ)、ジンジャー&ニンニクペースト、薄切りタマネギ、薄切りトマト、ゆでたジャガイモ、ホワイトダル(豆)、チャナダル(ヒヨコ豆のひき割り)、ターメリック、チリパウダー、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、サンバルマサラ、生コリアンダー。
か、からっ。でもおいしい。つい手がのびる…が、ちょっと子どもにはスパイシーかな。
油が控えめなのもいい。
ドーサ=南インドのクレープ。
材料=コメ3カップ、ホワイトダル(豆)1・5カップ、塩小さじ1。
水に浸しておいたのを水ごとミキサーにかける。生地の「ゆるさ」加減、まさにクレープだった。
お玉一杯分をフライパンに流す。ロッキーさんが苦笑いした。あ、破れちゃったんだ。
1枚目はいつも、失敗する。世界共通、クレープ料理の法則だな。
2枚目からは見事に薄焼きに仕上がった。じゃがいも炒めを包んでいただいた。パリパリ、はかなげな食感はおせんべいみたい。
おコメってえらい。じゃがいももそのままだと辛く感じたのが、ちょうどいいバランスになっていた。
サンバル=南インドのスープカレー。
材料=ミント、マスタードシード、タマネギ、トマト、コリアンダーパウダー、サンバルマサラ、チリパウダー、クミンパウダー、タマリンド(フルーツのペースト)。
さっぱり、ほのかに酸っぱい。タマリンドを最後に入れたからだな。好きな味かも。北インド料理に比べて軽めなのもいい。
★木曜日
午前のおやつ:ハング・カード・サンドイッチ
材料=ハングカード100g、みじん切りピーマン大さじ2、キュウリ大さじ2、みじん切りタマネギ大さじ2、塩、ブラックペッパー、ジンジャーペースト少々
カードは「チーズの赤ちゃん」と分かるけれど、ハング(hung)とはいったいどんなものなんだろう。
ロッキーさんに尋ねた。ふきんをまるめ、浄水タンクからぶら下げるジェスチャーをしてくれた。なるほどね。
宙吊りにして水切りしたカード、だった。
ランチ:スープカレー=ミックスダル、ドライカレー=ベイガン・カ・バルタ(Baigan ka bharta)、ライス、ロティ、サラダ。
ミックスダル=4種類の豆スープカレー。
材料=ブラックマスール(レンズ豆)、レッドマスール、ムングダル(皮なし緑豆)、アラルダル、ジンジャー&ニンニクペースト、みじん切りタマネギ、ざく切りトマト、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、チリパウダー、ターメリックパウダー、ギー(上澄みバター)
マイルドでサラサラ、豆のうまみを感じるなあ。大好き。
ベイガン・カ・バルタ=パンジャブ州名物、とろとろ焼きナスカレー。
材料=ナス、マスタードシード、クミンシード、コリアンダーシード、カレーリーフ、タマネギ、ざく切りトマト、ジンジャー&ニンニクペースト、ターメリック、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ガラムマサラ、チリパウダー、レモン汁、生コリアンダー、砂糖少々。
洗ったナスはごろーん、ガスコンロの上に転がした。おお、必殺の直火だ。焼きナスを作るんだ。なつかしい香りが漂う。じっくり焼いたら皮をむき、たたいてペースト状にした。
ねっとりした焼きナスはスパイスにも負けず、香りを放っている。すごい。焼きナス、新機軸!って、インドでは当たり前の献立なのだが一人で興奮する。
★金曜日
午前のおやつ:パルク・パラタ(Palk paratha)、カード添え
ランチ:チョーリー・プーリー(Choley-Puri)、スージ・カ・ハルワ(Suji ka halwa)
パルク・パラタ=ホウレンソウのお焼き。
材料=ゆでて刻んだホウレンソウ、全粒粉、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、塩、水。
こねてからピンポン玉大にまるめ、めん棒で直径17センチほどに広げる。ギーをたらしながら両面焼く。
やっぱり「粉もん」になると燃えるなぁ。粉もんの奥も深いぞインド。サクサクしてちょっとスパイシー、好き。
チョーリー=ヒヨコ豆のドライカレー。
圧力鍋に乾燥ヒヨコマメと水、ベイリーフ、ガラムマサラ、水、チリパウダー、クミンパウダー、塩を入れて煮る。タマネギは4つ割りにして水からゆで、やわらかくなったらミキサーにかけてペースト状にする。
鍋にギーを熱し、クミンシード、ジンジャー&ニンニクペースト、タマネギペースト、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、チリパウダー、チャナマサラを加える。ヒヨコマメ、水を足す。カストリマティ、食紅、タマリンド(イムリー)、塩を足す。ショウガの細切り、刻んだコリアンダーをちらす。
ヒヨコ豆ファンにはたまらない味、おいしい。やわらかくてホクホクしていた。
スージ・カ・ハルワ=セモリナおじや。
北イタリア・ピエモンテで出会ったセモリナ粉のおやつ「セモリノ・ドルチェ」と似ているかも。カルダモンが入るのがインドっぽい。
牛乳に水、カルダモン、砂糖を溶かす。セモリナ粉(スージ)はこげ茶色になるまでからいりする。牛乳液を注ぎ、ギーを加えて混ぜる。クミンパウダーを入れてしっとりすればOK。
うーん、インドの味がする。
プーリー=揚げお焼き。
全粒粉、水、塩、重曹少々を入れてこねる。両手ぐらいに伸ばし、油を回し駆けながら揚げる。プーッとふくらむ。きゃー楽しい。
危険なおいしさに打ち震えそう。わなわなー。大好物だー。叫びたい。本当に毎日、通っても全然、飽きない。ロッキーさん、本当にありがとう。