メープルシュガーの機能性 その2

いつもの魚や肉、卵料理が、ご馳走の匂いに!

(参考資料:「メープルシュガーの食品加工における機能性」香川大学農学部 早川 茂教授)

魚や肉、卵のイヤなニオイを、メープルシュガーがおいしい匂いに変えます

動物性食品(魚、肉、卵)を料理しているときに感じる特有の生臭さ。
その正体はアミノ基を有する化合物のアンモニアやトリメチルアミンといったアミン類。
加熱すると揮発性があるのでムッとするニオイになるのです。

検出量

ガスクロマトグラフィーによる検出
(温度設定:40℃~100℃、5℃/分 昇温)

こちらは、動物性食品に含まれるムッとする悪臭物質、アミン類の水溶液です。

温めると、エチルアミン()、ジエチルアミン()、トリエチルアミン()が揮発して、イヤなニオイを放っているのがわかります。
ムッとする悪臭物質(3種類のアミン類)の水溶液を温めると、悪臭のもとが気化します。

3種類のアミノ酸

ガスクロマトグラフィーで分析定量
(アミン類を窒素ガスにより気化、
冷メタノールにより捕捉)

魚や肉、卵のムッとする悪臭物質=アミン類の水溶液(0.05%)に、砂糖とメープルシュガーを別々に加え、50℃に保温したあと、揮発したアミン類をとらえてその量を分析して比べてみました。

すると、砂糖を加えた場合の揮発量を100とすると、メープルシュガーを加えた場合は、メープルシュガーの量が増えるほど揮発量が少なくなります。

ムッとする悪臭物質(3種類のアミン類)はメープルシュガーが多いほど減っていきます。

クンクン、確かにおいしい香り! それには2つのわけが

メープルシュガーは水溶性の悪臭物質=アミン類を別の物質に変えてしまう!

それにはメープルシュガーに多く含まれる有機酸のL-リンゴ酸が大きな役割を果たしています。魚や肉、卵を調理するときのムッとする悪臭物質のアミン類は、L-リンゴ酸と結合して水に溶ける別の物質(化合物)に変わるため、ニオイを感じなくなるのです。

水に溶けない悪臭物質=アルデヒド類やケトン類はマスク効果で消してしまう!

ムッとする悪臭物質には、水に溶けにくいものもあります。これにうち勝つのが、メープルシュガー特有の香気成分=ピペラジンのメチル誘導体。あの香ばしい、メープル独特の香りがアルデヒド類やケトン類の悪臭を抑え込み、感じさせなくするマスク効果を発揮するのです。

ためしに、メープルシュガーの香りを取り除くと……

メープルシュガー溶液に活性炭を加えて、脱色し香気成分を取り除いて同じ実験をしたら…アルデヒド類やケトン類の悪臭は残ったまま。このことからもメープルシュガーの香りのマスク効果が確認できます。