おうまはみんな、ぱっぱか走る…んだな、本当に。大人気のメープル小屋「シュクルリー・ド・ラ・モンターニュ」にひづめの音とはしゃぎ声が輪唱になる。あ、小学生の団体だ。ちょうどいい、同行させてもらおう。子どもたちは馬車に乗って小屋に到着。
Sucrerie de la Montagne
砂糖職人シモンがメープルシロップを貯めたタンクにせっせと薪をくべていた。もうすぐ子どもたちが入ってくる。
砂糖小屋の壁に木枠が下がっている。まるで和菓子の木型みたい。昔ながらのメープル塊の型だった。
あるじの息子ステファンがガイドを務める。「40リットルの樹液で1リットルのシロップになるんだよ」。
質問は?との誘いに次々、手が挙がる。「シロップはクラッカーにかけてもいい?」小さな女の子が問う。思わずニッコリ。「もちろん!パンケーキにもソーセージにもあうんだよ」。
ステファンがシロップをすくう。ひたすら104℃で煮詰めるのだそう。「何も加えない自然のうまみです」。しかもガスや電気の熱ではなく、昔ながらの薪で作られている。かまどシロップと名付けたい。いかにもおいしそう。
砂糖小屋の隣は昔ながらの石窯オーブンがある。直径15センチほどのパンが1度に100個焼けるのだそう。週末には1日500〜600個も焼くのだとか。
子どもたちが砂糖小屋を出て食堂に移るころ、厨房が慌ただしくなり始めた。パンを大急ぎで切っている。ああ焦げ目ごとシロップの海にちゃぷちゃぷ泳がせたい。
食堂で配膳を待つ。大瓶に詰められたメープルシロップがドカーンと並ぶ。さすが。
輪になって踊ろう。
食事を待つ間に演奏スタート。わらわらわら〜、と子が前へ。まずはダンス、ダンス、ダンス!
子どもたちお待ちかねの料理が大きなお盆にのって現れた。おっとっと、お邪魔だったか。